第6-5話
「これからあきらと横浜に行くのですが、一姫さんはどうしますか?」
そろそろ出発しないと、船の調査に間に合わない。
「横浜って、伊勢の宇治土さんに会うの?」
一姫は顔を曇らせる。
「ええ、お願いしたい事があったのですが、調査協力もすることになりました」
「別に来なくていいぞ」
あきらはからかうように横から口を出した。
「いく」
一姫はあきらの言葉には取り合わず、すました顔で短くきっぱりと答えた。
「おいおい、本気か?」
「じゃなきゃ、私が来た意味がないじゃない」
二人の掛け合いはまだ続きそうだったので、みつるは一旦自分の机へ戻ることにした。
資料を机に置き椅子の背を引くと、みつるは糸が切れたように力なく腰掛けた。
どこのオフィスにもあるような安物の椅子が
そばにいれば、守れるだけまだ良いかもしれない。
そう考えた自分の
みつるは両腕を左右にだらりと
おそらくここにいる誰よりも、彼女は強い。
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