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 昼休みの残りの時間は平穏に過ごすことができた。親が持たせてくれた弁当を食べ、文庫本を読み、一人の時間を楽しむ。しかしどこか落ち着かない、胸の奥がざわざわする。昼食や雑談を楽しむクラスメイトたちの声がやけに大きく感じて、この場から抜け出したくなった。



 人と関わってもいいことがない、それは今までの人生でじゅうぶんに感じてきたことなのに、先程誘いを断った自分がなんとなく情けないような、何かに責められているような気がして、気分が悪い。


 別に過去に大きな何かがあったわけではない。ただ漠然と、どこにも属せないような、誰とも深く交われないような疎外感があって、誰かと関わっていると、それを深く感じてしんどい。だったらひとりで居るほうがいい、そう決めたのは自分なのに、なぜこんなにも落ち着かない気持ちになるんだろう。

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