ドラゴンさんの子育て日記72
新聖暦897年 守月の一日
竜の祝祭が来月行われるので、我はわくわくしている。我、竜の祝祭が好きだ。
毎年楽しんでいるのだ。
新聖暦897年 守月の四日
ライラから手紙が来る。今年も村の竜の祝祭にライラはやってくるらしい。我は楽しみ。ライラに会えると思うとわくわくする。ライラから手紙が来るだけでも嬉しいけれど。
新聖暦897年 守月の六日
それにしても街に下りるたびに少しずつ変化していて楽しい。こうやって村が街になるのを見るのはもちろん初めてで、ルグネを拾ってから新しい経験が沢山出来て、我は嬉しいなと思ってならない。
新聖暦897年 守月の九日
今日は劇を見に行った。こうして劇を見に行くのは良い。演技が上手い人間とも仲良くなれた。演技が上手い人間は凄いと思うのだ。
劇には、我一人でいったり、ラオが一緒だったり、子たちが一緒だったりする。
どんなふうに見に行く劇も凄く楽しい。
新聖暦897年 守月の十二日
今年も剣舞を竜の道場の連中はやるらしい。今年は母君の友人もやるようだ。……母君の友人は竜の道場に馴染みすぎだと思うのだ。
練習を見させてもらったけれど、なんか去年より上手で迫力が増していた。凄いと我は思う。
あと人数も増えたからなんかこう、我が言葉をあんまり知らないから上手く言えないが凄いのだ。
新聖暦897年 守月の十七日
なんか「竜は悪しき~」とか言っている連中の親玉らしきのが、街のことを「悪しき竜に魂を売った」とかほざいているらしい。ライラからの手紙についてきたきんきらきんの手紙に書いてあった。
隣国ではなんかいろいろ面倒な考え方の人間がちらほらいるようだ。髪の色で悪魔の子とかいったり、双子だと不気味だとか言ったり。
うーむ、なんなのだと思うが、そういう思い込みって人の間ではそれなりに多いものらしい。面倒なものよ。
まぁ、街には何もしないように2号がちゃんと対処しているらしい。うむ、2号によくやったっていいたい。
新聖暦897年 守月の二十日
今日は子たちとラオも含めて昼寝をした。子たちは大きくなるにつれ昼寝の時間が少なくなっているが、我が昼寝が好きなのでしてたら一緒にしてくれたりする。なんて愛いのか。
新聖暦897年 守月の二十七日
母君と父君がやってきた。竜の祝祭が終わるまで滞在すると断言された。まぁ、良いが。子たちも母君と父君がいると喜んでいるし。
新聖暦897年 威月の一日
2号の兄からの手紙が届いた。学園のことを色々と書いてくれている。割と難しい文章とか言い回しとかしてた。2号の兄はそういう文章を書くのが得意なのかもしれない。
ラオに分かりやすく教えてもらえた。魔法学園は勉強がとてもためになるらしい。それに同年代の人と共に生活をするのはとてもいいらしい。ただ、2号の兄たちのような人間達の中でも偉い連中の周りはややこしかったりもするらしい。だからそういう面は大変かもとのこと。
ふーむ、人の世にはあまり関わってきていないからよくわかっていないが、よっぽどややこしいのだろう。
新聖暦897年 威月の五日
ライラが来てくれると思うとわくわくする。去年のように翼をぶつけてしまわないかとラオがハラハラしている。ミカガネも大丈夫なのかって目で見てるし。
大丈夫だぞ。流石に、今年は気を付けているのだ。ライラが来るのは嬉しいがはしゃぎすぎてはいけないのだ。
新聖暦897年 威月の七日
去年のことを心配してラオが今年も過保護だ。子たちが呆れていた。
新聖暦897年 威月の十一日
村の――いや、街のだな。村と書き間違えてしまうから気を付けないと。街の竜の祝祭は去年よりも盛大だ。劇場では特別バージョンになるらしい。我、わくわく。
前は劇をしていても劇場はなかったが、今回は劇場と言う舞台があり、演じている人たちも凄いのである。
来訪者も多くいるらしい。宿も幾つも出来ているだとか。
驚くべき発展である。
新聖暦897年 威月の十三日
ライラがやってきた。イラフもドーランもいる。あと護衛も。ライラは街に変わった様子を面白そうに見ていた。
我はライラが来ると嬉しい。
まだ竜の祝祭まで時間があるので街を見て回るんだとか。ドーランが小さいから街に泊るって言ってた。街を見たいからってのもあるらしいけど。
ライラの生家は街に変わって立て直しされた。そこにライラたちは泊るらしいので、時々お邪魔することにした。
新聖暦897年 威月の十七日
ライラがいると我、嬉しい。ずっとニマニマしてしまう。
新聖暦897年 威月の二十日
街の竜の祝祭が始まった。
我は楽しい。皆が楽しそうにしていて嬉しい。
我らの事は街では有名なので、人込みはあるが避けてくれたりして移動しやすい。まぁ、ライラがきんきらきんと結婚しているからってのもあるみたいだが。
新聖暦897年 威月の二十一日
急に明日飛び入りで劇しないかとか言われた。通常の時ならともかく竜の祝祭でもやっていいのかと思ったが、問題ないらしい。我は自由にしてていいらしい。
新聖暦897年 威月の二十二日
劇に参加した。楽しかった。拍手をもらえると嬉しい。
でもすごいのは我以外の役者である。我は我としていただけなのだ。でも楽しかったし、ライラも見てくれたし、良かった。
新聖暦897年 威月の二十三日
なんか「竜は悪しき~」の連中が紛れ込もうとしていたらしい。ライラを害そうとしていたのだとか。良かった、ライラに何かなくて。
最もライラは我らがあげた色んなもので守られているし、きんきらきんもライラを守っているから滅多なことは起こらないだろうけど。
新聖暦897年 威月の二十五日
竜の祝祭が終わった。去年よりも大きな催しになっていて楽しかった。家族たちも楽しそうでよかった。あと相変わらず竜は何匹も混ざってた。害はないから良かった。
新聖暦897年 威月の二十七日
ライラたちが王都に帰る。我らは来月は王都の竜の祝祭ではなく、別の祭りを見に行くのでこのまま村に残った。
来月も色んなことが楽しみである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます