ドラゴンさんの子育て日記56

 新聖暦895年 守月の四日


 我、巣に帰宅する。

 王都も楽しいが、巣にいる方が落ち着く。竜の祝祭が我楽しみ。


 新聖暦895年 守月の五日


 村に下りたら、竜の祝祭のための劇の練習をしていた。本番を楽しみたいので、見ないように心がける。ちょっと気になってちらちら見てしまったが……。


 新聖暦895年 守月の七日


 竜の祝祭の劇にはルアノもルアノ役本人で登場する事になっているらしい。いつの間にそんなことになったのか。本人役で本人が出るってなんだろうか。我には出てほしいと言われないのに。でも我、台詞とか覚えられないだろうし、仕方がないかと思う。

 ルアノが劇に出るの、子達も楽しみにしているようだ。子達も劇に出ればいいのに。出たら、我、凄いパシャパシャしそう。でも、劇の最中にパシャパシャするのは迷惑か。


 新聖暦895年 守月の九日


 ミカガネの子達も竜の祝祭が気になるから見に来ると言っていたらしい。村人たちにも報告済みとのこと。


 新聖暦895年 守月の十日


 剣を振るう子達のためにも、専用の武器を与えたい。竜の鱗とか、牙とか使えばいいものが出来るらしい。どうせすぐ生えるのでそれで作るのも手か。でも、自分が倒せる範囲の魔物で武器を作って、どんどん強い武器に変えていく方がいいだろうか。

 そちらの方がこれからのためにもなる気がする。本にも自分の倒した魔物で武器を作っていくのはロマンだとか書かれてた。


 新聖暦895年 守月の十二日


 子達が楽しそうに遊んでいる。

 仲が良いのは良い事だ。仲違いなどせずにずっと仲良くやってくれていたら我は嬉しい。

 我の愛しい子達。本当に愛い存在だ。


 新聖暦895年 守月の十四日


 家族は仲よくすべきであるというのを子達に語っていたら、遊びに来ていた母君と父君に「シルビアは自分勝手にしていただろう」と突っ込まれた。

 我は確かにルグネを拾うまでは、我は家族などが良いものだとは分かっていなかったが。いや、しかし、だからこそ、こうして大切な家族が出来て、我は家族の大切さに気付いたのだ。なのでそれを語った。我が気づくのが遅かったのだと。

 ルグネを拾って、母君と父君とまた交流をするようになって、大切さに気付けたのだ。

 はやくその大切さに気付いた方がいいのだと我は今は思う。



 新聖暦895年 守月の十六日


 今日はラオとのんびりした。

 ラオとのんびりするの楽しい。交尾した。出来ればまた子が欲しい。ただ人よりは子が出来にくいから、期待はしてない。欲しいけど。


 新聖暦895年 守月の十八日


 ライラから手紙が来た。王都で行われる竜の祝祭が楽しみだと書かれていた。我も楽しみだ。

 村の方にはドーランが幼いからこれないらしいが、王都の竜の祝祭は思いっきり楽しむと言っていた。ライラと一緒に見れるの我、楽しみ。


 新聖暦895年 守月の二十日


 我が子達が愛い。

 もう毎日、毎日、そんな事ばかり我は考えている気がする。でもきっと世界で一番愛いのは我が子だと思うのは親であるのならば、当然だと思う。

 すくすく育つ我が子達、毎日見ていても本当に飽きない。


 新聖暦895年 守月の二十二日


 ミカガネに我が友人について語る。

 そういえば、きんきらきんがまとめている本はいつ出来るのだろうか。我は大事な友人の事をまとめた本読みたい。

 我、友人の事、大切だったから。


 新聖暦895年 守月の二十四日


 竜の祝祭が終わったら、学園都市にまた遊びに行きたいと計画している。あとは、祭りとかの情報をライラやきんきらきんからもらっているので、興味がある祭りを見に行こうと計画しているのだ。そういえば、前にあったあの蛇を見にいってもいいかもしれない。

 ミカガネには「虐めたらだめですよ」と言われた。虐めなどとかっこ悪い事、我はせぬぞ。


 新聖暦895年 守月の二十六日


 目が覚めた時、ルグネがすぐそばにいた。思わずぎゅーっとした。そしたらルグネが可愛かった。我が結構急にぎゅってするから、ルグネも結構慣れている。

 ラビノアとシノウールとかだとたまに避けるけど、ルグネは割とされるがままだ。我が子達は、それぞれが違って、それぞれが本当に愛い。


 新聖暦895年 守月の二十七日


 今月も早い。もうすぐ竜の祝祭がある月になる。王都のものは、再来月にやるらしい。両方参加する予定だから、我は楽しみ。村のと王都のでどれだけ違いがあるのか。

 子達も楽しみにしているようで、良い事である。


 新聖暦895年 守月の二十九日


 王都の竜の祝祭には村からも人が行くらしい。

 今度も、馬車で同伴しようという話になっている。ルアノがまだ小さいから、我らが飛んでいくのでは耐えられないかもしれないのだ。

 でも来年は多分、飛んでいく。なので、村人用にももっといろいろ守りのためのものを作ろうと思った。

 それを言ったら泣いて感謝された。別に我がやりたくてやっているのである。



 新聖暦895年 守月の三十日


 色々と楽しみな予定が盛りだくさんで、我はわくわくしている。来月も楽しみだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る