無題

 湿気が憂鬱な午後

 慣れない居酒屋に飛び込んだ

 メニューすら来ずに待ちぼうけ

 灰皿にコーヒーのような汁が溜まっていた


 意味もなくスマホを持ち

 厨房をぼーっと眺めていた

 やっときた店員に

 飲みたくもないビールを頼んだ


 気が乗らないので

 せめて旨いものをと思ったが

 かえって空しくなるばかり

 こんな敵だらけの場所で

 飯が旨いはずがない

 気持ちよく酔えるはずがない

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