かわをみにいったら、おとこのこが

あらすじっ!

 前回までのあらすじ。

 俺は、人生に絶望して、崖から身を投げ出して、死んだ……はずだったのだがどういうわけか、肉体が回収され、保存。

 その影響で、魂も保存されて、生きながらえることになった。

 また、どういうわけか、魂が別の肉体に入ってしまって。

 猫耳少年に転生してしまった。

 猫耳少年となって俺は、アビシニアンのアビーに救われ、彼女が暮らす村に運ばれて、色々な、そう、この世界のことを教わったなら、俺が暮らす世界とは、大分異なる世界であって。

 ついでに、文化も、地理も教わり、この世界で暮らしていくようになる。

 その影では、というのは語弊があるかもしれないが、ビストという、獣の人を認めない存在こと、帝国がいて、俺は、ある少女の約束故に、その戦いに巻き込まれてしまう。

 その戦いの中、俺と村の一員、そして、ビストを認める組織、共和連邦、皆が手を取り合い、勝利、結果、帝国は解体された。

 俺は、異質な存在の俺は、この戦いを勝利に導いた功労者となる。

 膠着状態であった所に、俺が颯爽と現れて、風穴を開け、見事勝利に導いた、ということだ。

 つまりは、英雄。

 猫耳勇者と書いて、〝ウィザード〟と呼ばれるようになる。

 まだ、実感湧かないままで、そう呼ばれると、何だか違和感ばかり。

 俺は、そう、アビーや皆が愛する、ただの虎猫柄の、猫耳少年。

 『大空大和(おおぞら やまと)』。

 産まれも不明だが、皆が慕う、そんな人物だから。

 何も、大それた存在じゃないよ。

 

 さて、話は変わるけど。

 ……と言っても、これは、聞いた話だけどね。

 帝国から西へ遠く離れた土地、サバンナ地方と呼ばれた場所では、帝国が敗戦したその時に、戦いが始まった。

 いや、戦争か。

 敗戦濃厚と見抜いた帝国の一部が、武装蜂起し、自治区として認められていたそこを襲撃、占領してしまう。

 後々、リオンキングダム紛争と呼ばれるものだ。

 王国というだけあって、王様を中心として成立している。当の、〝王様〟は、武装蜂起の際、民衆の盾となって失脚し。

 かつ、その子息、〝王子〟も行方不明ときた。

 結果として、民衆の心は闇に閉ざされ。

 希望のない、帝国の言いなりになってしまった。 

 

 そうであるならば、とてつもなく暗い話だ。だが、希望は潰えていない。

 不思議なことはあるもので、縁はやがて、……俺へとつながっていく。

 

 ……そうとも!新しい、物語が、幕を開ける……。

 

 ……などと、格好よく締めたが、この時の俺は考えもしていなかった。

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