1-8


 奴の口を力任せに開き、デジリボルバーを五〇口径のままその中に押し込んだ。引き金を一回引いて、ハイ、おしまいだ。それで奴はただの土の塊に戻り、床一面に広がった若若しい血の上にバシャリと落ちた。銃を回しながらホルスターにしまい、膨らんだ俺の上半身は元に戻った。五秒ピッタリだ。数えちゃいないが。 


 そして俺は一息を吐き、目の前にできた土の山に倒れこみ意識を失った。

 アンリミテッドを使うと五秒間だけ神の如く超人になれるがもちろん弊害もある。肉体を酷使した精神が肉体の中に舞い戻ると当然、酷使した肉体が悲鳴を上げるし、疲労した肉体に精神は耐えられない。要はこの力を使ってありえない無茶をすれば最悪死ぬってことだ。だが、この時は気絶しただけだった。が、それが余計にまずかったんだ。



 次に目が覚めた時、俺はベッドの上で四人のフォーミラレンジャーにフォーミライフル(※)を突き付けられていた。



                                  続く




 ※フォーミライフル=全体的に白く丸く、持ち手(グリップ)の上にある球形のエネルギーボールが露出しており、青白い光りを放ち、またボールと銃本体の接触面が赤く発光している。ボールを頂上とする山なりになった形をしており、引き金(トリガー)の右脇に射出されるビーム強度を変更するダイヤルが、左には実弾とビームの切り替えが可能になっている。またビームモードは二種類あり一つはガンモードもう一つのソードモードは銃口から八〇㎝程度の光刃を出現させる。またATG内でも一、二を争うほど名前がダサい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る