第32話 最後の療育教室
最後の療育教室。
子どもたちとは途中分離で、お母さんたちだけ別室で交流をさせてもらった。
最後のお母さんたちとのつかの間の交流。
市内在住のお母さんたちは、このままセンター内の別の療育教室に移動し、引き続き支援継続をしてもらうことになっている。。
私ともう1人のお母さんは、たまたま比較的近くに住んでいて、市外になるので地元の地域の福祉課に相談し、近々担当の方と親子面談の予定。
その先がまだ決まらないという住んでる地域によっての福祉の支援の手厚さの偏り。。
そんなそれぞれの次のステップへと進む。
それぞれの親子にこれから幸あれと心から願った。
私たちは、その日…あるプレゼントを子ども達に準備していた。
毎週、来園した時にお母さんたちとコツコツ作っていた手作りメダル。
色画用紙、リボンで金メダル……をイメージした首から下げる可愛いメダルペンダント。
半年よく頑張ったね、というご褒美になればと手作りしていた。
メダルの裏には一言づつ子供にメッセージを書いた。
その時の私たち親の子どもへの気持ち。
「よく頑張ったね」
「これからも一緒に頑張ろうね」
「大好きだよ」
それぞれの思いを添えた。
ここに来て、私たち親同士の絆は強まり、ひとりぼっちの子育てをしていたような孤独感から解放され、何か子供にできることを必死に模索するという前向きの気持ちが芽生えた。
このような発達障害をもつ親子の支援には、子どもに目が行きがちだけど、もちろんそれは間違いではないのだけど…
何よりも親の支援を、決して二の次にして 忘れてはならないということがよく分かった。
お母さんがやる気をなくし、元気をなくし、悲しみの暗闇から抜けられないままでいると、子どもにとってプラスになることなんてあるわけが無い。
これは発達障害の親子に限ったことではない。
お母さんが笑っていないと。
元気でいないと。
子どもが可愛いと思えないと。。
その根っこの部分を 私たち親は半年で学ばせてもらった。
寂しいけど、先生とみんなとは今日でお別れ。
いつも通りに時間は経ち……あっという間にさようならの時。
先生に、私たち親から子ども達への手作りのメダルのことを伝え、子どもにプレゼントした。
それぞれが我が子の首にかけた。。
先生がその様子を見て本当に喜んで…泣いておられた。
いつもと同じ最後の挨拶のことば、さようなら……は涙で先生は歌えないし声が出てなかった。
みんなで泣きながら…泣きながら…涙が止まらないまま……
最後の教室は終わった。
半年でも……たった半年でも、、ここに通えて本当に良かった。
でも私たち市外組は、まだきちんとした次のステップが決まっているようで決まってない。
これからどうなるんだろう。。
面談したらどこか、通えるのかな。
ちゃんとした療育教室はまだ無いと言われてるけど。。
それを考えると不安になった。
でも、、とりあえず私たち親子の最初の療育支援教室は終わった。
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