書籍化の目標も達成できていないワナビですが、カクヨムロイヤルティプログラムに参加してみました

７７ アメ様企画：宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。（奈良県編）

　今回はいつもと違うおまけ回です～（笑）

　雨 杜和orアメたぬき様企画の

「【爆笑】都道府県オープン参加小説２：宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。」

　https://kakuyomu.jp/works/16816452219500906547

　に参加させていただきました～！

　全国制覇には、あとどうしてもいくつか足りないそうで。

　勢いで【奈良県】を引き受けてしまった私（笑）

　確かにお隣の大阪に住んでますけれど、小学校の時に遠足で行ったくらいの奈良について、果たして書けるのか!?　という感じですけれども（汗）

　そして、先に謝っておきます！　ごめんなさい～っ！

　　　◇　　　◇　　　◇

　綾束家はほとんどテレビを見ない。

　テレビはいちおう２台ある。

　が、その使用用途は、ほぼほぼゲーム用のディスプレイか、YouTube視聴用で、テレビがテレビとして本来の機能を発揮するのは、土曜の朝８時半くらいから１０時くらいまでのNHKの教育テレビでアニメがやっている時間と、日曜朝８時半からのプリキュ〇の時間くらいである。

　つまり……。この夫婦、本当に世間の動きを知らない。

　世間のニュースを得る機会は、スマホやパソコンでネットニュースにふれた時くらい。

　なので、興味深いニュースを見た時は、夫婦お互いに教えあって、話のネタにするのがいつの間にか習慣になっているのだ。

　折しも時刻は夜の１０時半。にぎやかな子ども達も夢の中へ旅立ち、夫婦水入らずで穏やかな時間……。ではなく、夜の洗濯干し中。

　手を動かしつつも口は暇なので、この時間は自然と夫婦の雑談タイムになる。

「ねーねー、なんか、ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人がね、日本各地に攻めてきてるんだって～」

　洗濯機からシャツを取り出しながら、いきなりワケのわからぬことを言い出した妻に、しかし、妻のとんでも発言や無茶振りなど日常茶飯事のだんな様は、一瞬の沈黙の後、さらりと問い返した。

「……つまり、それ、宇宙人のヴァイキングが攻めてきてるってこと？　それともゾンビ？　どっち？」

　二人とも、『ヴィ〇ランド・サガ』は好きな漫画のひとつである。単行本は全巻持っている。

　だんな様の問いかけに、ゆるっとふわっと生きている妻は「んー？　よくわかんないー」と首を傾げる。

「なんかねー、ちらっと聞いた話だと、その混乱に乗じて、いろんな県が独立したり、秘密兵器を作ったり、暗躍して同盟を結んだり、なんかばたばたしてるらしいよ～」

「へぇ～。秘密兵器は燃えるなっ！」

　だんな様の声が弾む。

　ふわっとした話にもちゃんと乗ってくれる、できただんな様なのである。

「それで～、なんか今は奈良が攻められていて、頑張って抵抗してるらしいの。奈良公園の鹿で突撃部隊を作って……」

「奈良公園の鹿はなぁ。あいつらぐいぐい来るからな～、あれだろ？　子どもでも容赦なく鹿せんべいを奪いに行って、ギャン泣きさせるやつ。鹿の角って鋭いもんな、それで突撃されたら……。って、いま春やん！　生え変わりの袋角で柔らかいやん！」

　綾束家のツッコミ担当がすかさずツッコむ。

　この夫婦の場合、もちろん妻がボケ（天然）で、だんな様がツッコミである。

　大阪人たるもの、隙を見つけたら、モンハンのイャンガルルガ（懐かしい）並みにすかさずツッコまねばならない。

「ほんとだっ！　ということは、他の手としては石舞台で儀式をして、古代の怨霊を呼び起こして……っ」

「いやでも、奈良県の最終兵器って言ったらアレだろ……」

　夫婦二人の声がハモる。

「奈良の大仏が立ち上がって巨大ロボみたいに戦うんだよなっ！」

「奈良の大仏が立ち上がって巨大ロボみたいに戦うんだよねっ！」

　むふふ～、と、ハモった嬉しさでしばしドヤ顔で笑い合う二人。

「やっぱりそれしかないよなっ！」

「そういえばさ～、小学校の遠足で奈良に行かなかった？　あれ、何年の時だっけ？」

「たぶん六年くらいじゃね？　県外まで行くし……」

「東大寺で柱の穴くぐりやったよね～！　あれって、くぐると頭がよくなるんだっけ？」

「え？　無病息災だろ？」

　東大寺の大仏殿の柱の一本には、大仏の鼻の穴の大きさと同じと言われる穴が開いている柱があり、そこをくぐると、無病息災、祈願成就のご利益があると言われているのである。

「今はもう、絶対に通れないよね……」

「……その分、成長したってことだよ……」

「横方向にね……」

　ちなみに穴の大きさは縦３７センチ×横３０センチ。

　子どもでぎりぎりの大きさである。（今はコ□ナウイルス感染症の影響で、穴くぐりは休止中とのこと）

「でもさ、大仏が巨大ロボットになるのなら、パイロットはやっぱり、「せんとくん」だよなっ！」

「その発想はなかった！」

　「せんとくん」とは２０１０年に奈良県で開催された平城遷都１３００年祭の公式マスコットキャラクターであり、２０１１年から奈良県のマスコットキャラクターとなったゆるキャラ（？）である。

「でさ、コクピットに入ろうとして、詰まってカニ歩きで入るわけ」

「？　なんで？」

「だって頭の両脇に角が生えてるじゃん」

「あ――っ！」

　せんとくんは、仏様の頭の両側に立派な鹿の角を生やした姿なのです。

　うん、それは絶対、正面から入ろうとしたら引っかかる！　がんっ！　って角ぶつける！

　想像した綾束、お腹を抱えて大笑い。

「せんとくんの角は、生え変わりするのかな……？」

「いや、抜け落ちバージョンは「仏」だけになるからマズイやろ……」

「確かに……。着ぐるみを何パターンも作ったらお金もかかるしねぇ……」

　いつの間にか話題がゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人の侵攻から遠く離れていることにも気づかず、洗濯物を干しながら他愛のない話を続ける二人。

　日本各地の混乱もどこ吹く風で、綾束家は今日も平和なのであった……。

　　　◇　　　◇　　　◇

　すみませんっ、アメ様！　こんな感じになりました～！（＞＜）

　そして、奈良県にお住いの皆様、お願いですから怒らないでくださいませ……（＞＜）

　そして、残りは【山梨】【長野】【茨城】【群馬】【岩手】とのこと！

　参加される方は、どうぞ、雨 杜和orアメたぬき様へご一報を！

「【爆笑】都道府県オープン参加小説２：宇宙人侵略その後、各都道府県はどうなっている。」

　https://kakuyomu.jp/works/16816452219500906547