これなら代理謝罪出来る!!
初めての代理謝罪に対してどうしたら良いんだろうかと村崎は疑心暗鬼になっていたところで佐鳥から事務所に一度戻ってきて話をしようという電話を貰って安心感を得て事務所に戻った。
事務所に村崎が着くと小西と佐鳥の二人がラフな感じでソファーに座っていた。そのラフさというのは村崎を待つのに疲れたというよりも休憩中、みたいに見えた。
村崎は事務所に入っていって小西や佐鳥がいるソファーのところにいき、三人の中で一番下であるということを考慮した上で座る場所を選んで座った。
村崎が座ってゆっくりした頃に佐鳥が口を開いた。
「さて、三人揃ったしそろそろ話を始めようか。」
「村崎が持ってきてくれた情報、名士の須能さんが今回の謝罪相手であり、そのお孫さんが例の若い女性であってその女性が週に一度程度のペースで買い物に出掛けている、ということから代理謝罪の計画を俺なりに考えてみた。」
その言葉と共に幾枚かの紙が村崎、佐鳥に渡され、その紙には行程表のようなものと注意事項のようなものなどが書かれていた。
「代理謝罪のチャンスは基本的には須能さんのお孫さんが買い物に出掛けているときだと思うけれども出掛けている中のどのタイミングで行くべきかというところは意外と重要なことになると思うから俺が今までの経験を基にどのタイミングかも考えておいたから参考にしてほしい。」
「はい。出掛けてからそんなに早くではなく、帰ってくるのに近すぎるのならば謝罪を考えると良くはないということですね。」
「そういうことだ。どんな言葉を話したら良いのかもあまり分からないだろうからマニュアルみたいな表現になり気味だが、文字に起こしてみた。丸々その表現を使う、ということではなくてそれを参考にして自分の言葉で代理の謝罪をしてほしいと思う。」
渡された紙のところに典型文、のような形で代理謝罪の表現が記されていてその言葉たちはおおよそが堅めの表現で謝罪なので堅い表現の必要はあるがもう少し柔らかく言っても良いのではないかと村崎は思った。
「こういうものがあったら代理謝罪もやりやすくなります。今すぐに行く、ということにはならないですけどもう少しだけ時間をもらえれば今日のこれを参考にして代理謝罪をしに行きたいと思います。」
村崎の表情は前へと歩んでいくための力を得たような顔をしていて事務所に来る前までの村崎とは見違えたような顔をしていたのである。彼の背後には何もかもがあるようにまで見えるのである。
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