第155話 俺ってギルマスに信用されてないんじゃないか?


「地上の家は、連絡がてら残しておいても問題ないと思うんだ。 アニム王もそう言ってくれている」

俺はそう伝える。

「で、おやじさん。 どうやって地上に行くの? また、バーンに送ってもらうの?」

「いや、王宮にあるゲートを使わせてもらうよ。 もう、ばあちゃんたちがそうしているんだ」

「あ、昨日使っていた白い壁みたいなやつだな・・」

優はそう言うと、もう準備を始めていた。

行動早いな。

嫁さんたちも身支度を整えだした。

こっちも早いな。


「早いな・・じゃあ、俺はどの辺りの場所を提供してくれるか聞いてくるよ」

そう言って俺は移動しようとした。

「おやじさん! 俺も一緒に行くよ」

優がついてくるという。

「そっか。 じゃあ俺と優は先にギルドに行っているから、みんなは後で来てよ。 ギルドはこの泊っているところからすぐにあるし、受付で聞けば教えてくれるよ」

凛と颯は、嫁たちと一緒に行動するようだ。


宿泊施設を出て、ギルドへ向かう。

街を行き交ってる人を、キョロキョロしながら優が見ていた。

おのぼりさんだな。


ギルドに到着して、中に入る。

受付の・・えっと、アリアさんだっけ?

その窓口が空いていたので向かった。

「アリアさん、どうも・・」

俺はそう声をかけながら、席についた。

「あ、テツ様。 先ほどはお疲れ様でした。 どういったご用件でしょうか?」

俺はこの街で住みたいと考えているので、詳細を聞きたいと伝える。

「わかりました。 では、担当がエレン様になりますので、こちらへどうぞ」

俺たちは横のカウンターに案内された。


その途中にアリアに聞いてみる。

「アリアさん、移住するにはライセンスカードが必要なのですよね」

「えぇ、そうなります。 テツ様は先ほど取得されておりますから大丈夫ですよ」

「はい、ありがとうございます。 後からも数人来ると思いますが、この子、優っていうんですが、俺の子供です」

アリアが優の方を見てうなずく。

「なるほど・・テツ様のお子様ですか。 では、ライセンスカードを発行しますので、こちらへお越しください」


優がアリアのカウンターへ連れて行かれた。

俺はアリアに案内されたところで席についていると、エレンさんがやってきた。


「テツ様、こちらへ移住を希望ですね。 ご案内させていただきます」

そういうと、机の上に帝都の地図を広げる。

その地図にタッチすると、俯瞰図ふかんずというか街並みがきれいに表示された。

3Dできれいに見える。

「先ほど、ご両親様にご紹介した場所がここになります。 この隣というのはいかがでしょう?」

エレンさんがそう言って、場所を提示してくれた。

赤く場所が区切られている。

便利なものだな。

聞けば、この地図が実際の場所と連動して登録されるのだそうだ。

凄いな。


「えっと、家族全部で5人・・いや、お義母さんがいるので、6人が暮らせるスペースが欲しいのですが、この赤い区切りの中で生活できますか?」

俺はばあちゃんたちと同じ広さだったので、少し狭いんじゃないかと思った。

「問題ないと思います。 住人に与えられる広さは、皆ほとんど同じ広さなのですが、10人くらいで暮らしても問題ない広さとなっております」

なるほど、そういうものか。

それに、みんなが同じような広さなら、めることもないだろうな。

お店とかを持ってる場合はまた別のようだ。

そんなことも軽く説明を受けた。


俺がエレンさんと会話していると、またギルマスが出てきた。

少し困ったような表情をしている。

「テツ君、君の子供さんなんだが・・レベルが32というじゃないか。 子供でそのレベルは、なんというか・・本当に、この星の住人は君みたいなのばかりじゃないだろうね?」

ギルマスが不安そうに聞いてくる。


「ギ、ギルドマスター、すみません。 私の言葉が足りなかったようです。 私がアニム王の支援でレベルを上げさせてもらい、家族だけでも生き残るためにレベルを上げたのです。 後レベルが高いのは、もう一人の息子と両親くらいが30前後です。 もう、それ以外には高いレベルのものはいません」

俺は必死に弁明を試みた。

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