どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

第79話 レベル・・半端なく上がったぞ。 いいのかな？

そんなありがたいものがあったなんて、俺は驚きだ。

それに神って・・実在するのか？

いや、違うな。

そういうものを感じるだけだろう。

俺はそう思いながらつぶやく。

「神の祝福・・ですか」

アニム王が不安を払拭するように、別に悪いことは一つもないからと言ってくれる。

「さて、行こうかテツ！」

そうアニム王が言うと、結界を解く。

「テツ、一番近いバジリスクから行ってみよう」

え？

オーガとかはいいのですか？

雑魚扱いなんですね。

俺は一瞬返事が遅れた。

「あ、はい、お願いします」

俺は返事をしつつ、いろいろ考えていた。

アイテムボックスは存在している。

これで荷物に困らないな。

さて、周辺の魔物の状況。

バジリスク：レベル３１が１体。

ガーゴイル：レベル１８が２０体くらい。

ワイバーン：レベル３３が１体。

スフィンクス：レベル３５が１体。

やばいどころじゃないだろ。

アニム王は普通に散歩するようにバジリスクに向かっている。

俺はそのやや後ろを歩いている。

アニム王は刀の柄（つか）のようなものを持っていた。

「アニム王、武器はそれですか？」

俺はどうしても聞きたくなった。

「あぁ、これね。　これは王家の武器でね。　私限定なんだ。　レイソード：光の剣と呼ばれているよ」

ポンポンとその柄に触れながら、アニム王が答える。

マジですか、かっこいいんですけど！！

俺の想像では、ビー〇サーベルの持つところのイメージなんだが。

歩いていると、途中オーガが駆け寄ってくる。

アニム王は別に構うでもなく、レイソードを軽く振った。

束から白い光が溢れる。

予想とは違い、鞭のようにしなった。

光の帯が、１体のオーガに触れたかと思うと、その範囲にいたオーガ全体に鞭打っていく。

アニム王は歩みを緩めることなく歩いている。

オーガはしばらくしてすべて蒸発した。

・・・

言葉にならないのですが。

強いなんて言葉じゃ表現できませんけど。

そんな俺の心を読んだかのように、アニム王は前を向きながら話してくれた。

「驚かせたいかい、テツ。　これは剣にもなるし、今みたいにムチにもなる。　光の矢を撃つこともできるからね。　さて、バジリスクに行くかな」

バジリスクがこちらを睨んでいる。

睨まれると石化にかかってしまうので、俺とアニム王は左右に動き出した。

その時、アニム王のレイソードから光の弾が出たようだ。

バジリスクの目に当たり、バジリスクが叫ぶ。

ギィエェエエエエエエエエエ！！！

怖ぇぇぇぇ！

でかいし、化け物トカゲだものな。

俺がそう思ってるうちにバジリスクの頭が落ちた。

「テツ、今だよ！　すぐにバジリスクの身体に剣を突き刺して！！」

アニム王に言われるままに、俺は剣を突き出した。

ズブ！

「良かったよ、テツ。　もしかして刺さらないかと思ったけど、大丈夫だったね。　おそらく外側には刺さることはないだろうから・・」

・・・

そうだったのですか。

俺はてっきり戦うのかと思って・・そこまでだった。

『経験値を獲得しました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

・・・・

一体いくつレベルが上がったんだ？

連呼どころじゃないぞ。

「テツ、悪いけどステータス確認は後だね」

アニム王はそういう。

「バジリスクが倒れたことで、他の魔物に気づかれたよ」

アニム王が周りを見ながら教えてくれる。

俺も索敵をしてみると、確かにこちらへ向かってきている。

結構な速度で来ているな。

「テツ、ガーゴイルは近くに来たら倒す程度で放っておいていいよ。　ワイバーンとスフィンクスだが、ワイバーンの毒の部分は切り落としておくよ。　スフィンクスも気の毒だが、戦闘できないようにするね」

アニム王はそういうと、ジャンプした。

急接近してきた魔物はすべて空中にいた。

白い光の帯が魔物の集団の中で、ぐるりと一回りすると魔物たちが落ちてくる。

ドン！

ドン！

ドドドド・・・。

バタバタと落ちてくる。

ガーゴイルは瀕死だ。

俺はガーゴイルを仕留めて回った。

ワイバーンも落ちてくる。

索敵には確かにレベル３３とある。

濃い緑色のドラゴンまがいの魔物だ。

怖いぞ！

尻尾と両翼がなくなっていた。

スフィンクスも尻尾と両翼がなくなっていた。

アニム王が着地して辺りを見渡している。

「テツ・・近くに魔物はもういないみたいだから、その魔物２体・・倒してみたら。　たぶん、先ほどのバジリスクでレベルが上がっているから、楽に倒せると思うよ」

言われるままに俺は２体に向かっていく。

ワイバーンに刀を突き入れてみる。

ねばい粘土に突き入れてるみたいで、結構力が必要だった。

何度か突きを入れてるうちにワイバーンは動かなくなる。

そのまま振り向き、スフィンクスに突きを入れた。

こちらの方が軽く入るが、それでもスパスパというわけにはいかない。

スフィンクスに突きを入れている間にワイバーンは蒸発したようだ。

『経験値を獲得しました』

『レベルが上がりました』

『レベルが上がりました』

スフィンクスも動かなくなり、蒸発。

『経験値を獲得しました』

『レベルが上がりました』

いったいいくつ上がったんだ？