第38話 優の身体能力・・凄いんじゃないか?


家の外へ出て索敵、確認。

ロンリーウルフ1体の後方にゴブリン5体の1単位セット、変わらないな。

この単位が4つ。

俺らの真正面は右から2つ目の単位のようだ。

優もマップで確認している。

即座に行動開始。

俺は優についていく。

かなり速い移動速度だ。


優はそのままの速度でロンリーウルフを一閃。

す、凄いな。

俺は少し驚く。

そしてゴブリンに向かう。

石は俺が拾っておくと言っておいた。

リズムを崩すことなく狩れるだろう。


しかし、俺より上手なんじゃないか?

ロンリーウルフを真横から一閃だった。

きれいに斬れたぞ。

ゴブリンの反応はすぐに消滅。

そのまま右の単位へ向かったようだ。

俺はロンリーウルフの石を回収。

ゴブリンの方へ向かい、この石も回収。

な、なんか忙しいな。


優はその間にも右側の1単位を倒していた。

アッという間に2単位がいなくなった。

優の動きが止まる。

なるほど、石を回収しているようだ。

そしてまた移動開始。

石の回収を終えたようだ。

左から2単位目のロンリーウルフに到着する直前に、一番左端のゴブリンが1体ずつ消えていくのを確認。


だ、誰だ?

俺はすぐにピンと来た!

まさか、また田原さんが・・。

そう思ってる間にも優はロンリーウルフを倒しゴブリンを蹂躙。

そのまま左端のロンリーウルフに向かっていく。

くそ、俺の石の回収作業がしんどいぞ。

でも、ワーウルフ以外なら優にとって問題にならないな。


優がロンリーウルフを倒すと同時に、ゴブリンの反応も消えていた。

俺たちが到着すると、やはり田原さんだった。

「町田さん、先ほどはお世話になりました」

田原さんがにっこりと笑い言う。

今度は怪我することもなくゴブリンを倒せたようだ。

5体も倒せたんだな。

俺は思わず感心してしまった。


武器もなたを持っていた。

「田原さん、大丈夫でしたか?」

俺はそういうとともに、優に石を渡した。

優は受け取ってステータス画面に吸い込ませる。

田原さんはそれを見て即座に聞いてきた。

「町田さん、今のは一体?」

「え? あぁ、優のやっていることですか。 倒した魔物の石をステータス画面に吸い込ませているんです」


俺がそう言うと田原さんはゴブリンのいた場所を探していた。

石を拾ったようだ。

それをステータス画面に吸い込ませる。

「これでいいんですかね? で、どうなるんですか」

・・・

「それが・・よくわからんのです。 ただ、吸い込むもので、吸い込ませた方がいいかなと思って・・」

俺もぼんやりとしか答えられない。

レベルが上がるときにステータスに反映されてような感じだが、はっきりわからないので答えられない。

「そうですか・・」

田原さんもそれ以上は聞かなかった。


「で、田原さんもレベルアップを目指してるんですか」

「ええ、そうなんです。 今レベル4なんで、後1つで職が選べるんでしたよね」

「・・多分、そうだと思います。 いや、すみません。 私たちの家族というか、今のところレベル5で職業が選択できてましたから・・」

俺もわかることしか答えることができない。


「わかりました。 では、とりあえず、レベル5を目指して・・ですね」

田原さんは気にすることなく笑顔で話してくれる。

「田原さん、すみませんね。 こちらが魔物を狩ってしまって・・」

「いえいえ、そんなことはないですよ。 ゆっくりレベルアップしていければいいと思っているのです」

田原さん、いい人だな。

でも、やっぱり残念だっただろうな・・優が狩ってしまったから。

おっと、来たようだ。

ワーウルフ:レベル10。

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