2019年11月15日(金) ラピュタの日

 明日から、ジブリ美術館では新しい展示が始まるそうですね。

 「手描き、ひらめき、おもいつき」展。

 作品のアイデアスケッチや企画書、ボツイラストも展示されるとか。

 駿監督の偉才っぷりを存分に勉強できる良い機会なのではないでしょうか……。


 というのも、今日の午後、「天空の城ラピュタ」を観たのです。

 観てしまったのです。

 ラピュタを観るのは初めてではないですし、寧ろ両手の指で数え切れない程度には観ているんです。ただ、見る年齢や見方によって全然違うものなるんですよね。


 例えば、「手描き、ひらめき、思いつき」展の1つ前の企画展示、「映画を塗る仕事」展を見たあととか。


 「ほんの一瞬しか映らない、矢の光るときの色にも何度もダメ出しをした」みたいな話は聞いたことがあったのですが、企画展見た後だと、もう、そんなもののばっかりで、本当に気の遠くなる作業をしているのだなぁと改めて頭をワイン瓶で殴られたような気分で……。(?)


 絵の具の色は何百種類もあるし、その中から「この映画で使う色」を決めるし、それも何百種類もあるし。

 同じ物や場所でも、日が陰ったり、時間帯が変わったり、太陽光と蛍光灯の違いだったりで、全てが違う色になるし、だから違う絵の具を使わなければならないし。

 ガラスや瓶越しの景色は歪むし。水たまりに景色は映るし。

 セル画大変そうだし。

 大変さが上手く言えないけど大変だなってつくづく思う。


 で、そんなのを一度でも観た後に、ラピュタを観たらどうなるかと言うと。

 絵を描く人の苦労に目が行ってしまうわけです。


「ああ!そんな紙切れ要らんだろ!ほら飛んだ!描くの大変!」

「不必要に!人を!生き物を!増やすな!!動かすな!!!」

「あああホラ軍隊がゾロゾロ動いている……何人書かなきゃならんの……」

「壁のレンガとか、木材の質とか、金属とか髪質とか、分かるの怖い」

「雲、風、草、水、機械、飛行機、リアル。動いている。専門家、何人いる?」

「人間、綺麗に動くよなぁ」

「鉱石、明滅してる。炎の暑さで景色が揺れている。これ描いているの?描くの?え?」


 本当、皆さん、是非とも、ひとつひとつの場面で意識して観てみて下さい。

 泣けますよ。

 描く側にしてみれば、無駄な作業増やしているようにも見えるけど、これが良い作品になっているんだなぁって、本当に思います。


 シーンの切り替えとか、セリフ選びとか、曲とか、曲の切り替えとか、ストーリー展開とかキャラの人の良さとか遊びとかオーケストラの演奏とか録音風景とか練習とかにも意識回してしまうと、パンクします。キリがない完璧さ。完璧に過ぎるとかあるんです?

 あの、説明という説明は無く、絵と音楽と場面と呟きだけで説明する感じが好きです。(そして僕には再現できないんです。)

 どっか完璧じゃないとこ誰か教えてください。作画ミス以外で。



 話変わりまして。

 僕の創作の発端は、基本的に「これなら僕も出来る!勝てる!」なことが多いんです。(じゃないと描けない美味しいチキンなんです)(勝つ≒自分好みにする)

 「うおおこの作品すごい!でもこの部分だったら僕の方が勝る!僕なら出来る!この作品に勝つ!」から始めて、色々行き詰まりながらも自負心でなんとか乗り越えて、自分の中での絶対評価で一番の出来にする。最初に見ていた作品は、完成の頃には頭にない。そんな感じです。

 ただまぁ、ジブリ、特に宮崎駿監督作品、更に特に僕が生まれていない頃の作品は、隙がなさすぎてどこを取っても感動しっぱなしで、制作過程読めないです。

 存在が上すぎて、自分の創作には何にも引っかからない感じ。

 木のささくれを引っ掛けて引っ張って、自分の創作に取り込むのがいつもだとしたら、ラピュタは完璧にカンナがけされていて小さなささくれ1つ見つからない、みたいな感じ。

 分かりにくいなこの喩え。

 いつか何か、掴めるものが出来るんですかねぇ……。


 好きなものを描く、が僕にはない感覚なのですが、あれですね。不満を消すために書いてるタイプだったからだ。うわー。

 好きなものを突き詰めて書いてみたいものですねー。


 関係ないけど、日に日に日記長くなってない?

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