未定

坂町 小竹

荒波

舟に溜まった荒波を

追い出す、ただそれだけ

入っては、入っては

零れてゆく

沈みかける舟

漂う黒い水を

「どこからきたの?」と問うた

遠く、遠くの異国で

どこで生まれたの?

どこを通ったの?

どうして私の舟に乗る

黒い水は私の舟に乗る

嫌です、黒い水は

私の舟を壊す

私は追い出す、ただそれだけ

それだけしかできない

舟が壊れるまで

見守るなど決して

沈ませるなど

そんなのは嫌です

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る