「お金がない」と彼が言うから

作品タイトル

 「お金がない」と彼が言うから

キャッチ

 お金がないのは何故なのか。その理由を彼女が知った時、物語は動き出す。

作者

 鳥川 ハル 様

ジャンル

 恋愛

セルフレイティング

 なし

紹介文

 学食ではなく売店で買うでもなく、自前の弁当持参で大学に通う、口癖は「金がない」と言う彼にはきちんと理由がありました。

 主人公の彼女は偶然見かけた場所で、黙々とお弁当を食べている彼に声を掛けられます。質素な白ご飯が大半を占めるその弁当。尋ねると自分で作っていると言います。大学生にもなって親が作るとかは無いだろう、いい人も居そうにない。そう思っていた彼女はその言葉に納得。彼女の方は軽く済ませるために、サンドイッチがひとつ。それを見た彼は弁当に入っていたブロッコリーをひとつ分けてくれたのでした。

 ある日、ゼミの本棚を前に困っていると、彼が声を掛けて来て「それなら持っていると」言われ彼の家まで行く事に。以降、二人の関係性に変化が起こったのでした。


 微笑ましい二人の関係性が楽しい作品です。

 ちょっとした事からほんの少しずつ距離を縮め、互いを意識してないのにしている、そんな雰囲気を文面から感じ取れます。

 大学生と言うには愛らしい、二人の関係性が今後どうなるかは、読者の想像にお任せですが、ほのぼのとした雰囲気からは、なんだか幸せな未来図しか想像出来ませんが。

 ラストでやっぱりそうなんだね、とほんのり温かい気持ちになれるでしょう。

 この作者の短編は、なかなか気の利いたフレーバーに彩られていますので、目を通しても良いと思います。


 ★13/フォロワー6人

 文字数:7,059文字(完結済)

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054903501297


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