現代ドラマ③

 長い長い坂道を、坂本と上田と一緒に自転車でかけ登る。

  はぁはぁはぁ

 3人とも息が切れているが、歩こうとしない。3人でいると、自分の限界が計り知れなく思えるからだ。

 息が切れながらも、

「お前、今日のテストどうだった」

「え〜聞くなよ」

「お前、また悪かったんだろ」

「そうだよ」

なんてくだらない会話をする。そんな日々が好きだった。





 このころの僕等は幼すぎて、自分達が持っている恐ろしい宿命を知らない。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る