第35話中学時代2

土曜日の部活が終わってすぐに二人は映画館に行った。


恋愛ものだったのでゆうは少し緊張した。


姪は、ゆうの肩に掴まって離れなかった。


泣いているのが分かった。


映画を見終わってハンバーガーショップに行った。


「先輩、泣いてたみたいですけど大丈夫ですか?」


ハンバーガーを頬張っている姪にゆうは聞いた。


「バレたか‥。」


姪は、少し気まずそうだった。


「先輩、全中の会場の雰囲気ってどんな感じでしたか?」


「うーん、空気がピリピリしてて、わたしには合わなかった。」


姪は、ゆうの瞳をじっと見て言った。


「ゆうは、動じないんだね、わたしと一緒にいても。」


「動じる?」


「わたしは、男を惑わすフェロモンがあるんだって。」


「ふーん、そうなんですか。」


「そっか、ゆうは、渚ちゃんと幼なじみだもんね、綺麗で可愛い子には馴れてるか。」


「渚を、そういう目で見たことないしフェロモンも感じないですね。」


姪は、ゆうの唇にキスをした。


「これで、少しは感じた?わたしの事。」


「うーん、はい。」


姪は、寂しそうな顔をした。


「ゆうも、あいつと同じじゃん!」


と言って姪は店を出て行ってしまった。

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