第27話 出会い 十五

 『翔真、今度、遊びにいかない?』

そうこうしているうちに、同じテニスサークル仲間で、友達の時川達紀(ときかわたつき)から、連絡が入った。

 僕はとてもそのメールを返せる気にはなれなかったが、とりあえず返信をした。

 『ああ、いいよ。』

『よっしゃ!じゃあ今度、○○に行こ!』

『…分かった。』

 …思えばその日は、僕、亜紀、達紀、達紀の彼女と、僕が亜紀と付き合う前の「ダブルデート」をした日だ。

 また、さっきメールで来た行き先も、同じ所である。

 ここで、僕はふと我に返った。

 『…そういえば、『過去の自分』は、僕の方から達紀に、

『お願い、僕に協力してくれ!』

って、頼んだんじゃなかったっけ?

 …ってことはこのメールはおかしい。これじゃあ過去が、変わったってことになる。

 …まあでも、僕が亜紀に告白しなかった時点で、過去は書き換えられたんだ。じゃあ、今回のようなこともある、のかな…?』

僕は、それ以上考えるのを止めた。そして、僕は眠りについた。

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