第2話 画の夢は叶う

そうして、小山は画を学ぶのに、独学では厳しいと思い、絵画教室に行くことにした。

勿論、費用は自分の今まで稼いだ金である。

やはり順風満帆とは行かなかったが、少しずつ画の成長はしていった。

次は友達と学校外でも遊ぶようになった。

公園で遊んだり、ゲームをしたりした。

小学生生活で画と遊びを両立しながら頑張ると、

「儂は子供の頃、当たり前のことをしてこなかったようじゃ。」

小山はふと思った。

そして、彼は中学生になり、画のコンクールを度々入選するようになった。

「凄いじゃん。小山。」

「小山君やるわね。」

小学生から出来た友人も共に喜んでくれた。

そして、高校は持ち前の学力で美術に力を入れている学校に進み、勿論美術部に入り、画により一層精進した。

小学生からの友達はもう居なくなっていたので、高校ではあまり友達を作らず、静かに過ごしていた。友達はクラスの何人かと、美術部部員くらいである。

この頃になると、学生美術展等のコンクールに応募し、入選するレベルになっていた。

「儂もここまで来たか。」

自分の成長に自負していた。

しかし、そこから先が上手いこと行かず、美大に進んだものの、周りの画力の高さについていけず、画家にはなれなかった。

「まさか、画についていけなくなるとは・・・。」

しかし、画の仕事には着きたかったので、漫画家になった。しかし、ストーリーがいまいち作れなかったので、アシスタントか作画の仕事をした。

小山が再度50歳を迎えた頃、

「儂の人生これで終わる方向なのか?」

彼は愕然とした。

画家になるはずだったのに、なれなかった。

画を描く才能はあっても、画家になる才能はなかったのである。

「このままでは、死んでも死にきれない。」

小山は画の仕事をしながら、もんもんとそんなことを考えていた。

「まだ、儂は死にたくない・・・。」

仕事をしながら、考えて、考えた。

「儂の人生これで、終わってもいいのか。」

2度目の60歳をさしかかった時、ふとネットで情報を集めていると、もうこの時代は金さえあれば、宇宙に人が行ける時代になっていた。

そこで、ふと小山は思った。

「儂も宇宙関係の仕事をしたい。」

こうして、再度70歳まで漫画家の仕事を全うし、彼は自分の書斎にある、ある薬を取り出した。

そう、若返りの薬である。

「儂の人生をもう一度。」

彼は躊躇うこと無く薬を飲んだ。

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