呪いの対価
ユウキ:のろいもまじないも「呪い」だから、ひらがなじゃないとわからんよな。これも俺の分野なんだよなぁ……じゃ、一個一個解説していくか。……の、前に……相槌役かもん!
ナユタ:わぁ、私なんだ?
ユウキ:お前は俺のくせに魔法使えないから素敵。
ナユタ:けなしてる? そしてそれはキミのせいじゃない。
ユウキ:まぁ、現地の調律者殺して魔力霧散させた俺が悪いっちゃ悪いんだけど……まぁ、それは置いといて。呪い・祟り・呪い・加護・祝福・奇跡の5つを解説していこうと思う。
ナユタ:えっと、呪い(のろい)と呪い(まじない)は人側からのアクションが必要で、祟り・加護・祝福は神側からのアクション、奇跡はケースバイケースだったっけ?
ユウキ:んまぁ、祟りも人側からのアクションが先行するんだけどな……神をぞんざいに扱うとか。「触らぬ神に祟りなし」とはいうけど、『今まで祀ってくれてたのに最近無視されてる』とかでも祟るのが神様だしねぇ。祟りは後に解説するとして、まずは呪い。呪いは主に人が人に対して行うものだな。簡単なやつなら「あいつが憎い」と思うことから、有名どころなら丑の刻参り、生贄を使った呪術など多岐にわたる。いやぁ、人の思いって怖いよな!
ナユタ:思うだけでも呪いになるの?
ユウキ:寧ろ大部分の呪いは「思い」で左右されると俺は思ってる。ぶっちゃけ丑の刻参りとかって呪われた側が「呪われた!」と思うことが重要だしな。要は悪い意味でプラセボ効果。誰かが自分に対して害意がある。殺意すら抱いているらしいって思いが自分を破滅させるんだよ。意識的無意識的関係なくな。
ナユタ:こわ。
ユウキ:ま、神の力を借りて直接心臓麻痺させるとか、因果律を書き換えて不慮の事故に合わせるってものもあるけど、大部分の呪いは呪われたと思われる側の自滅を利用したものだよ。だから、目立つところに呪いの品を置く必要がある。神社の御神木に釘人形とかな
ナユタ:怖いわぁ……
ユウキ:で、次は祟り。さっきも言ったが神って結構……その、アレな子もいるからね。「先代は手厚く祀ってくれたのに、世代交代したらぞんざいな扱いをされる! 祟ってやる」というのがまぁ、よくある。末代まで祟ってやるってのもいい例だよな。神には基本世代交代って概念はない。だって本神死なないもん。家っていうよりは血が途絶えるまで追ってくる。血が途絶えるとさすがに縁がないから追えないけど。あと、相当な理由がない限り祠……祀られてる場所を移動するのもご法度だよな。あれ、場所に固着してるってか。
ナユタ:ユウキも?
ユウキ:俺そもそも祀られてる場所ない。そして仮にあっても気にしない。元が人間だからかどうかはようわからん。まぁ、神の中でも「祠を移動させた程度でとやかく言わんよ」ってやつもいるんだが、大部分が「移動反対派」だったりするから、アレ謎。俺には理解できないんだよなぁ……ってか、対価の話だっけ。祟りが軽率に起こると思われる理由は簡単で。『神の怒りに触れる』っていう行為に対する対価が祟りだから。ほら、人間だってあるだろー?『人目から隠れて楽しんでたエロ本を他人が晒上げにしたから怒った』とか『心から好きだった芸能人を他人に貶されて、怒り心頭でそいつ殺す』とか。『付き合ってた恋人が急に愛想悪くなって、原因調べたら浮気してた。から、フルボッコにした』とか。そういう感じ。
ナユタ:高尚な存在なはずなのに、ユウキに開設されるとすんごく俗っぽく聞こえる……
ユウキ:わかりやすいよう俗っぽく解説してるからな。んで呪い(まじない)かぁ……まじないも基本のろいと一緒なんだよ。「〇〇が死にますように」「失敗しますように」と、負の感情を祈るのがのろい、「無事でありますように」「成功しますように」と正の感情を祈るのがまじない。神を挟むかどうかはケースバイケースだけどな。これも基本は祈られてる側のプラセボ効果だから。
ナユタ:身もふたもない。
ユウキ:のろいとまじないはそんなもんだよ。で、加護は神が与えるものだな。基本はその神の権能に即した加護が与えられる。俺の加護は魔術関係。字斬は戦闘……つか刃物関係だな。よく切れる包丁の加護~。字斬の加護が欲しけりゃお布施握りしめて字桐神社にGOだ。本社じゃないとだめだぞ。本神がいないと加護は授けれんからな。
ナユタ:じゃぁ加護と祝福の違いは?
ユウキ:ぶっちゃけ格。つか、濃度? 祝福のほうが”重い”
ナユタ:どゆこと?
ユウキ:説明しづれ~。加護も祝福のひとつなんだよ。ただ、加護は確実に「かけられた側に利益がある」に対して祝福は「かけられた側に利益があるとは限らない」
ナユタ:???
ユウキ:死の神様が行う加護は「その人を死から遠ざける」が祝福は下手すりゃ「その人が死ぬ」って感じかな。ほら、某蒼穹のなんちゃら~でも総〇が「痛み」を祝福と称してるだろ。ああいう現象が神側でもままある。ついでに俺の祝福は基本みんな死ぬ。
ナユタ:なんで。
ユウキ:だって人の子みんな容量小さいから、祝福するとパンクしちゃうの……創世神の祝福は対個人に与えちゃダメなんだって……
ナユタ:規模がアレすぎる。
ユウキ:最後は奇跡だなー。これも説明しづれぇ……この世界での「奇跡」って、魔法の結果ってことが多いんだけどなー。基本的には神クラスの祝福を人が行うと奇跡になる。
ナユタ:あり得るの?
ユウキ:まずないから奇跡なんだよ。ただ、奇跡を起こすのって、別に人だけじゃないからなぁ……神も行うから、微妙……。ケースバイケースなのよこいつに限って。俺だって奇跡は何回も起こしてるしなぁ……調律者殺しなんて奇跡中の奇跡だし。
ナユタ:そなの?
ユウキ:普通、調律者殺したら星も死ぬし、世界も死ぬ。世界を生かしたまま調律者だけ殺すとかどんなけおかしいことか知ってください。俺は苦労しました。
ナユタ:それでもしたんだ?
ユウキ:だって、あいつが願ってたから……ま、でも世界も犠牲にするのはお互いよくないと思ってたからな。ああいう因果をたどってくれて俺は良かったと思うよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます