　昼、体力作りのために腕立て伏せをやってみた。自分は体力が一般男性より低い。高校時代に体育で走った20mシャトルランの記録は23回。

「まるで女子だな」

友達からそう言われたのを覚えている。

　高校の制服を仕立てて頂くために服屋へ行った時のこと、サイズを合わせるためか、これを着てほしいと渡されたのはセーラー服だった。自分の外見は誰が見ても男だと思っていたが、そうじゃなかったらしい。

「ごめんなさい！まさか男の子だとは思わなくて！」

　体力が低く、外見が女である。男としては複雑だ。そんな記憶と感情を思い出しながらやった腕立て伏せは、たった3回で限界を迎えた。このことを妹に言った。

「私でももう少し出来るよ、お姉ちゃん」

うん、お姉ちゃん、もっと頑張る。

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