19話5Part Devil Hero gegen Knight⑤
「お、お会計は、せ、せ、1820円になります!あ、ありがとうございます!お、お釣りは......っひゃあ!!」
「頑張れバイト!」
......東京都足立区にあるズィーベンイレブン竹の塚駅南店にて、緑色に朝焼けと炎のラインが入った制服を身にまとい、丑三つ時真っ只中のズィーベンイレブンを店長と2人で切り盛りしている従業員が居た。
駅前にも7割型等しい場所にあるため、時刻午前2時にも関わらず客はちらほらやってくる。深夜まで遊んでいる高校生や忘年会後の酔っ払ったサラリーマンと少々手を焼く客も来るのだが、昼間ほど人が多くない事が幸いして2人で回せているのだ。
商品陳列を行っている店長に鼓舞の声をかけられた従業員はマゼンタピンクの髪をお下げ髪にして、大きくて黄色い目に若干涙を浮かべながらも必死に酔っ払いの接客をしている。
「あ、ありがとうございましたー!」
そしてその酔っ払いが去ると、お下げ髪の従業員は心からの安堵の溜息をついて先程の客が少し乱していったレジ周りの整頓を開始した。
「お疲れ様。疲れただろう、今日はもう帰るといい」
「ほ、本当ですか!?」
「別に構わん。田中くんが来るまでのあと数10分程度、私1人でも回せる。それに、この時間帯は基本的に客が少ないからな」
「あ、で、では失礼します〜!」
そう言ってスタッフルームに入り私服に着替えて裏口から出た。
カラン、カランと下駄の音が響き、1つにまとめられた髪に刺さる簪に付いている鈴チリンチリンと鳴っている。夜の東京、駅近のビル群は昼の騒がしさを封じ込め裏通りやビル裏の闇が色濃く這い出してきている。
「......兵庫県神戸市中央区
彼女は裏通りに入り、スマホの画面に表示された住所をマップに目的地登録。その後に踵を返して羽田空港へと向かったのだった。......そこに某DVDショップで使えるTANUKIカードを落としていったことに気づかずに。そしてそのTANUKIカードの氏名欄には"
無論、彼女もまた"下界の事情"とやらに巻き込まれた××なのだが、それを彼らが知るのはもう少し先の事である。
──────────────To Be Continued───────────────
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