第2話 試練

あの出来事から約10年間俺は気絶していた。

と富士三郎から聞かされたのは目覚めて2日後だった。

富士三郎が連れてきた猫の仮面をかぶった男がこういったのを覚えている。

「小僧、お前が鬼を殺したいと思うならワシに着いてこい。」

と仮面の男はいった。

鐵也はうなずき、富士三郎に「ありがとう富士三郎」と言い着いていった。

……松浦山中……

雰囲気が今までいた場所と違う。

体の全身が震え出す。

手の震えも足先の震えも止まらない。


そんな中仮面の男はすらすらと山を登っていく。


仮面の男について行くので精一杯だ。


山の周辺を見渡すと周りに季節外れのアサガオが咲いており、この季節は冬眠しているはずの熊もいた。しかし、熊との距離が50メートルあるが襲ってこないのに疑問を持った。

普通の山のようにも見えるが普通の山ではない。

山に入る直前で仮面の男はこういった。

「この山にはあらゆる仕掛け(トラップ)があるそれを潜り抜けて山頂にあるワシの家に来い。刀は使ってよいがな。」

と言い、先に進んだ。

この時、俺はまだ知らないこの山には鬼がいることを…

続く

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