ログインボーナス21日目 焼き芋
昨日の晩、トイレがいつもと違った匂いがした。
普通、臭いと感じるのだろうが何故か悪い感じはしなかった。
そして今朝、インターフォンが鳴る事はなかった。
黄昏時、この時間は彼岸と此岸が交わると言われている。
死者が生者を引き寄せ、一線を超えさせるとも。
なぜこんな事を考えているかと言うと、今日まだログインボーナスが届いていないからだろう。
と、言うがただ単に配達員さんに会えていないからだろう。
憂鬱という奴だろう。
名残の赤さはそろっと飽きたので部屋に戻る。
夕日というものは懐かしさも思い出させる。
なぜか部屋の中からポーと懐かしさを感じる笛の音が聞こえてきた。
きっとこの非日常感はあれだ。
「お疲れ様です。今日のログインボーナスは焼き芋です」
部屋に配達員さんがいた。
何故かジャンパーと帽子を着用している。
そしてサツマイモを焼いていた。
配達員さんとベランダで、沈む夕陽を眺めながら食べる焼き芋は、ほんのり焦げとアルミの味がした。
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