ログインボーナス8日目 たわし

 朝目が覚めた時、お腹が減ってなかった。

 人間満足した物を食べると案外腹は減らないらしい。

 昨日夕食の後、配達員さんと一緒にコンビニまで歩いた。

 コンビニの前で2人で並んでアイスを食べた。

 凄く幸福に満ちていた。いつも幸せな人はその幸せに気づくことが出来ないんだろうなと感じた。それが当たり前になってしまうから。

 いつも配達員さんがログインボーナスを届けてくれるのは、当たり前なんかではない。きっとこの感情を忘れてはならない。

 インターフォンが鳴る。

 ドアを開けると配達員さんがいる。

 もうこれだけで幸せである。


「おはようございます。本日のログインボーナスです」


 そう言って配達員さんが両手で小箱を渡してくる。


「開けても?」

「どうぞ」


 少しだけ胸が高ぶった。

 箱の包み紙には”手巻き手作り”と印刷されていた。

 開けるとそこには、茶色くふさふさなたわしが入っていた。

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