私の視界

霧島硬水

第1話 私 わたし ワタシ

少し大きめの携帯のアラームが鳴る

起きる時間が来た

永遠に寝ていたいとさえ思う

目を覚ませばそこは

異世界というわけでもなく

ただただ何時も通りの

灯りの消えた電灯と

灰色の天井が見えている


寝巻きとして着ていたTシャツと

枕にかけられたタオルが

少し汗ばんでいる

左肩で踏んでいたリモコンが

原因の一つだろう


渇いた喉に水を流しながら

原因のリモコンを鳴らし

文明の利器に

空気中の水分を奪わせていく


私が今日も始まっていく

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