第84話 寄生モンスターを見つけろ!
ロードスは寄生モンスターの影響でおかしくなった。そこまではいいが問題は寄生モンスターは一体どこに寄生したのかということだ。
それがわからなければ攻略しようがない。長老はロードスのどこかに寄生された痕がないか見みてみたようだがそれらしきものは無いという。
「むぅ。俺から見てもそのような物は見当たらんぞ」
「私もよ。精霊をもっと使えればいいのかもだけどこの状況だと使える精霊に限りがあるし……」
ウィンが口惜しそうに答えた。ロードスが暴走している影響で精霊にも悪影響が出ているのが現状だ。
ウィンは連れてきていた精霊の力を何とか借りている状態だがあまり無理強いは出来ないのだろう。
「寄生型というなら場所さえわかれば何とか排除出来るかもしれないのですが……」
これはアドレスの意見だった。寄生タイプのモンスターの多くは聖属性に弱いらしい。
「待てよ――もしかしてその寄生モンスターって土の中じゃないのかい?」
ふとハスラーが足元を見つめながら考えを述べた。その発言に長老が目を見開き声を上げる。
「そ、そうか! 根に寄生すれば弱点を晒す必要がない!」
ハスラーと長老の考えにキングたちもハッとした顔を見せた。確かにそれであれば納得も出来る。
だが――
「それがわかったとしてどうするの? 土中の根に寄生されてるとして場所の特定が出来ないし……」
「確かにその通り、だ!」
キングがボールを蹴り続々生まれてくる配下を土に返していた。ウィンも限られた精霊の力で反撃しているがこのままでは埒が明かない。
「精霊が使えれば地面の中を調べるぐらい可能なのだが……」
長老が悔しそうに呟いた。地面は本来土の精霊の宝庫だ。長老ほどの使い手であれば土の精霊の力で土中を調べるなど本来どうということはないのだろう。
しかし今はロードスが暴走した影響で精霊の力が弱まっている。
「待てよ地面……なんとかなるかも! キング一つ協力してもらっていいかい!」
「勿論だハスラー。俺に出来ることなら何でもしよう」
「それならこの周囲に六ヶ所穴をあけて欲しい。可能なら僕が扱う玉が入る程度で――」
「うむわかったぞ!」
ハスラーの説明を聞き、キングが首肯した。そしてすぐさま地面を蹴り上空に飛び上がった。
「いくぞ! 超冒険者ボール2nd!」
振りかぶりキングが野球の投球フォームに入り力を込めてボールを投げた。キングの魔球によってボールは途中で分裂し地面に六つの穴をあける。
「これでいいか?」
「流石キングだぜ! これなら――ナインボール!」
今度はハスラーがボールを使い合計十個のビリヤードボールに変化させた。
その内九つを一箇所に集め一つを地面に置いてハスラーが構えた。
「今から寄生モンスターの位置を探って見せる。だから皆少しの間沈黙で頼む!」
ハスラーの声に全員が頷いた。ロードスの配下が出てきているがそれは大人しくキングが片付けていく。
「行くぜ――ブレイクショット!」
そしてハスラーが球を打つとまとまった九つの球にあたり弾けるようにそれぞれの球が転がり十個の球が周囲にある木などに命中し跳ね返りながらキングのあけた穴に吸い込まれるように落ちていく。
ハスラーは球の動きを認めつつ伏せた状態で地面に耳を当てていた。
そしてハスラーが目をカッ! と見開きキングに向けて声を上げた。
「キング! 寄生モンスターはそのあたりにいるぞ!」
ハスラーが指で場所を示すとキングがコクリと頷きアドレスを見た。
「アドレス! 俺に聖属性を!」
「あ、そうかわかったよキング!」
そして以前にやったようにアドレスがキングに手を添え聖属性を付与した。
「これで決める!」
再びキングが地面を蹴り跳躍。今度はボールをサッカーボールに変化させ宙返りしながら蹴った。
「行くぞ!
そして太陽のように輝きを放ちつつ蹴ったボールがハスラーの示した地面に突き刺さり更に回転が加わり地面を削りながら突き進んでいく。
そして――
『アfァjkファjファlkfヵjァfァjァfljファlfjkァjfヵアjファカjファ!?』
地面から不気味な声が響き渡りかと思えば配下のモンスターが次々と枯れ果てていった――
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