異世界転生で飼い犬(本当は狼)の召使(女)にされた上、異類婚姻だと?断固抵抗する!
ありま氷炎
TS異世界転生!?
TS異世界転生
「坊ちゃん。性別は本当に女性でいいのですね?」
「もちろんだ。女になって、こいつはものすごいショックをうけるだろう」
偉そうな子供の笑い声がした。
――何を言っているんだろう?
俺は何か繭みたいなものの中にいた。あったかい。
そういえば、どうしてこんなところにいるんだ?
確か、朝から叩き起こされて駄犬の散歩に行かされたっけ?
歩道もない狭い道を歩いていたら急に後ろからクラクションの音がして、気がついたら駄犬を抱いて、トラックにひかれていた。
ばーんって感じで頭の中真っ白になったなあ。
っていうか、俺は死んだのか?
いや、生きてるよな。
繭みたいなものの中にいるけど。
それとも夢か?いや、夢はこんなにリアルじゃない。
「坊ちゃん。性別変えるってことは別に嫌がらせでもなんでもないと思いますけど。逆に喜こぶかもしれないですよ」
「いーや。俺が馬鹿にして笑ってやるからいいの」
「……坊ちゃんがそうおっしゃるのでしたら」
子供の声じゃなくて、落ち着いた感じの声の奴がそう言うと、急に体が熱くなった。
「くっ、なんだ。いったい」
体のあちこちが熱くなって、骨がきしむような痛みがした。頭痛もしてきて、声が出せないくらい痛い。
気を失いそうになったが、痛みと熱が急に引いた。
「さて終わりましたよ」
「そうか。ご苦労だったな」
痛みで俺の意識は飛び掛っていたが、そんな会話が耳に飛び込んできて、視界が急に広がった。
俺を覗き込んでいたのは、駄犬と葱男。
「は?」
なに?声が。俺の声?
「ははは!愚か者め!そんな貧弱な体になりおって。もう、俺様を駄犬なんて呼ばせないからな。今日からお前は俺の召使だ!」
駄犬がしゃべってる。
なんだ、俺様って。
だいたい服を着て立ってるところもおかしい。仔犬だったのになんか大きくなってるし。
いや、それよりも召使ってなんだ?
「おい、駄犬!」
俺は立ち上がったつもりだった。
だが、体は言うことは聞かずにすぐにふにゃりと座り込んでしまった。
その時に、俺は不思議なものを見た。
え、っていうか、俺の体は?
声も違うし、やわらかい。
なんだ、これ?
おっぱい?おっぱいがついているのか?
「ははは!今頃気がついたか!お前は女になったんだ!俺の優秀な執事のネギーラがお前を女に生まれ変わらせたんだ」
何を馬鹿なことを?
そう叫びたかったが、俺の脳みそはあまりにもおかしな状況にヒートアップしてしまったらしい。
そのまま気を失いばったりと倒れてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます