17日目 山手線13番ホーム

放課後の帰り道

山手線13番ホーム


ちらりと先輩の顔を盗み見る

長いまつげ、通った鼻筋、瑞々しい唇


何度も見てきた端正な顔

私の名前を優しく呼ぶ声は低くてよく通る声


ずっと前から好きだった

だから気づいてしまったのだろう

彼の目が追いかけるのは私の姉


先月先輩は姉に告白して晴れて付き合うことになった

そんな先輩は姉の妹である私と下校時間がかぶる火曜日は

決まって家まで送ってくれる


姉と付き合うことになって、元から優しかった先輩は

以前よりまして私に優しくなった


なんて残酷なのかしら

優しくされればされるほど

先輩は姉が好きなのだと思い知らされる


ひらりひらりと舞う雪が先輩の頬に触れて溶ける

重たい曇り空から舞い散るそれは積もることもなく

地上に落ちた途端消えて無くなる


それでも容易く触れてる雪に

嫉妬を覚えるほど

私は今でも先輩に恋い焦がれている

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