真心の環境改善計画①

 ダンジョン会議が終わってからの真心の行動は早かった。

絵を描くのではなく、いくつかのマモノはネットで画像を検索して印刷しブックに張り付けると言うなんとも横着ではあるが確実性のある方法で済ませる。

だが、どうやら二体だけは新たなマモノを作っているようだ。

そんな真心はまずダンジョンから外に出てエルザ達を助ける事に。


「あ、真心様とヴィオ様~助けてなのです、鳥さんが~、鳥さんが~」


 真心とヴィオの姿を見ればエルザは一目散に飛び出し、その胸に飛び込み涙を流し現状を伝える、いくつかのフェアリーの家を奪い取り住処にしてしまっているようだ幸いにして家を奪われたフェアリーはヴィオの家で匿われてるとの事。


「そう言う事じゃ、主殿何とかしてほしいのじゃ」

「大丈夫、私に任せて、いっくよー召喚!」


 真心が新たにダンジョンに召喚したマモノはタカやハヤブサと言った猛禽類の鳥類であった、数十体が真心の目の前に大人しく整列しているどのタカやハヤブサも猛禽特有の精悍で鋭い見た目をしており一目で強そうな印象を与える。しかしこれには鳥に困ってるのに更に鳥を増やしてどうするのだと二人から文句を言われるが真心にも考えがある、このマモノ達はその名も『守護する猛禽』真心も大分単純な名前にしたものである。能力もいたって普通というもので。


・召喚者の意思で好きな猛禽類が召喚される

・小鳥や小動物の類を食料として好んで食べる。

・主と認めた物の存在の命令を可能な限り忠実にこなす。

・特殊な結界を張る事が出来る結界には認めた物以外の侵入を拒む力がある。


 と言った所、このマモノはアーバヴォーアニマルと戦うもとい狩りをする為に作られたマモノ、つまるところ彼らに勝るレベル3である。

普通の猛禽類と戦えば余裕で勝つであろう力を持つ優秀なハンターなのである。

ちなみに特殊な結界を張る力を持つため木の属性では作れず、わざわざ火の属性を上げて作られたマモノでもあったりする。


「この子達を縄張りを被らない様に森に配置すればこの子達が森を守ってくれるよ」

「ほんとなのです! それじゃ、ついてくるのですー! …………あるぇ?」


 エルザが意気揚々とその猛禽たちに命令するが、誰もついていくことなく目をぱちくりさせているだけ、というのもまだエルザを主と認めていないのだ。

なのでまずはダンジョントレーナーとして最初から主と認められている真心が猛禽達にエルザや他の妖精の命令を聞いてこの森の平和を守ってあげて欲しいとお願いする事で猛禽達は一鳴きする了承という意味であろう


「これでエルザ達の森は大丈夫かな? 次は虎徹の所だ、部屋に戻ってシスタにお願いして飛ぶかな」

「妾はあ奴らと一緒に森の警戒をするのじゃ」

「うん、ヴィオさんお願いね」

「よ~し、今度こそ皆で森を守るのです!」


 真心は一度、自室に戻りシスタに虎徹の所に飛ぶことにした。

エルザは猛禽の一匹であろうハヤブサに背に乗り、今度こそ意気揚々と森を守るべく猛禽達と空を翔るのであった






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