明るい新たな仲間!

「さー、ダンジョンの前に来たね、皆! 頑張るぞー」

「おー! でござる」

「だニャ!」

「はいっす!」

「さーて、やっぱ地下だよね、とりあえずシスタの作戦を試してみよっかな、えい」


 ダンジョン前でゴブリン達が荷車からテントを出し、バタバタと慌ただしく動いていた、龍二のダンジョンも案の定地下に作られているようで暗い空間が広がっていたその攻略をする拠点をゴブリン達はいそいそと作り上げているのであった。

とりあえずと真心が袋を取り出し思い切り放り投げる。


「うーん、全然光が広がらない、ヒカリゴケが育つ環境じゃないのかも」

「石畳とかでございましょうか? 良い案だと進言しておいて、この可能性を考えておりませんでした、申し訳ございません」

「気にしないで大丈夫! その為の新しいマモノだよ! 頼むよウィスプ」


 中身はヒカリゴケやその胞子、ヒカリゴケを繁殖させ、ダンジョン内を明るくするという荒業はどうやら石畳などが要因で通用しなかった、横で見ていた進言した当の本人のシスタが申し訳なさそうに項垂れていたが、それでめげる真心ではなく、新たなマモノを駆使する。その名もウィスプ、それは光の球体のようで真心の周りを飛んでいた。マモノの能力もかなり単純なもので。


・魔力を用い光を常に発している。

・強烈な光を発し、目くらましを行う。

・素早い回避運動を得手とする。


 戦闘レベルは2とそこまで高くはないがこれが真心の暗闇対策に召喚したマモノであった。


「テントの設営終わったでござる、武器の確認も」

「あたしはいつでもいけるっすよ、じゃんじゃんばりばり、れっつごー」

「二人とも、ウィスプを共につけるのを忘れるニャ」

「「了解(っす)(でござる)」」


 やがてゴブリン達のテントの設営などが終わり同行しているゴブリン以外のマモノ達もやる気に溢れダンジョンの攻略にノリノリであった。

毎回、真心が暗いのを恐れ中に入るのは実は今回がまだ2度目なのだ。

石畳のダンジョンをゆっくりと降りていく、3人程が通れる具合の幅。

真心一行は一番前にでゅら娘、左右を虎徹、シャルル、真ん中に真心を置き。

殿はシスタといった形で進み始める、とりあえずは順調といった感じであったのも束の間


「敵襲かニャ」「何奴!」


 通路が十字路になっているところに差し掛かった瞬間、横から紫色をした塊が虎徹とシャルルへと襲い掛かる。虎徹は咄嗟に刀を抜き真っ二つに、シャルルは手に持った杖を前に出し盾を作る魔法でそれを防ぐ。


「前方からも来てるっすね」

「あれは多分リリスだよ、魔法の弾を出して遠距離から攻撃してくるよ」


 更に、左右からの攻撃に気を取られていれば次は前方からも同じ弾が飛んでくる。

でゅら娘は手に持った槍でそれを弾き返し事なきを得る。

真心はマモノの存在はブックで読み把握しており、そのマモノがリリスという魔法の弾で攻撃してくるマモノであることも知っている。

が、知っているだけ、どう戦えばいいのかはマモノ頼り、真心は今いるマモノ達でこの状況をどう乗り切るかを考え、一つの考えに至る。


「ウィスプフラッシュ!」


 それが新たな仲間のウィスプの力であった。

そうすればウィスプは激しく明滅し始め紫の弾が発射された方向へと突進していく

その光の弾は発射される紫の弾をすり抜けるように突き進んでいく。最初は一番やられてほしくないが為、回避行動が得意な特徴を付けていたが、それが上手く作用しているのだ。やがてリリスの目の前にたどり着いたのだろう、遠くで大きく光が明滅したすると紫の弾は収まる激しい光の明滅を正面でもらい目を奪われたのだ。


「今がチャンスでござる、シャルル殿右を、でゅら娘殿は前を頼むでござる」

「了解っす、さぁ、全員あたしの槍に貫かれるっす!」

「了解だニャ、さぁ眷属よ、あのマモノを齧りつくすのニャ!


 やがて、その隙をつき、でゅら娘、虎徹、シャルルが突撃し、最初の戦闘は真心達の勝利で終わるのであった。

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