《半年前!1》
この半年で俺は強くなった。魔法も使えなかった頃なら森に入っても絶対死んでいたと思う。凄い強い魔物も森の中には結構いた。
この半年間の修行は無駄じゃなかったって事だ!
半年前。
ドラゴンに出会ってしまった俺は紅い瞳に捉えられた瞬間、目を閉じ死を覚悟した。
だが、いつまで経ってもドラゴンは襲って来ない!恐る恐る目を開けた俺の事をドラゴンは黙って見ているだけだった。見つめ合うこと数分。
「あ、あまり見つめられてしまうとこまるのう!」
ド、ドラゴンが喋った!?
「ふむ、混乱するのも無理はない。ちょっと待っておれ!」
俺が混乱しているとドラゴンはそう言って、光はじめてしまった。
数秒後、
「待たせた!」
そこには1人の女性が立っていた!
「に、人間になった!?」
思考の全く追いつかない状況に俺が戸惑っていると
「お主がケントという人間じゃな?」
突然名前を呼ばれた俺は
「え?」
と呆けた返事を返してしまう。
「うん?違うのか?この砂漠に異世界から来たサトウケントって獣人がいると聞いて来たのじゃが。この砂漠にお主以外に獣人は居らんかったし間違いないと思うんじゃが。」
俺の事を知ってる?
「い、いや。俺で間違いない!」
「ふむ。無事に会えてよかったのじゃ!」
そう言って、笑うドラゴン女!
「俺の事を聞いて来たって誰に?」
って言っても俺が砂漠に居ること知ってるのはアルティアだけだ。
「ああ、女神アルティア様じゃ。イース大陸の端の砂漠に異世界人が来ていると伝えられてな!そやつは地球人じゃが今は獣人の姿をしているからと我の所に連絡をくれたのじゃ!」
「何であんたの所に?」
「我が住んでおるのは獣人族の住むゾーン大陸で、我はそこで獣人達から竜神と呼ばれ崇められておるからのう。ただ長く生きておるだけなんじゃがな。」
それにと話を続ける竜神。
「我は知恵の女神アルティアの眷属でもあるからのう!お主に魔法を教えるよう頼まれたのじゃ!」
「眷属?」
「そうじゃ!お主、先程、我に"
鑑定を行ったのに気がついたのか!?でも"
「ああレベル100だってのは知ってるけど、でも"
「鑑定?何じゃそれは?」
「鑑定ってのは見たものの詳細が分かる能力だよ。アルティアから貰ったんだ!」
俺がそう言うと竜神は少し考え込み、
「ふむ。どうやら元は解析魔法と同じ物のようじゃな!鑑定の方はお主専用に作り直した能力なんじゃろう。"
なるほど、そういう事か!俺が鑑定が欲しいって言った時、聞いたこともない言葉って様子だったのに説明をしたら分かったのは、アルティミアじゃ"
確かに、レベルがあるのに鑑定がないなんて変な話だし。別の方法で調べる事ができたのか。
「それでじゃ。我の他にもレベル100の魔物は3体おり全て女神アルティアの眷属なのじゃ!我らは世界樹があるエルフ族の大陸以外に住み各大陸を見守っているんじゃよ。」
へえ。
「で、その竜神様がわざわざ魔法を教えに来てくれたと?」
「そういうことじゃ。アルティア様に頼まれたのじゃから断るわけにはいくまい。」
教えて貰えるのは嬉しいけど
「でも、俺は早く街に行きたいんだけど?」
今は先に街に着きたい。俺がそう言うと
「なに、大丈夫じゃ。我が鍛えれば森を抜けるなんて1ヶ月もかからん。本来は半年もかかる道のりじゃ。なら鍛えてから進んだ方がお主も良いじゃろ?強くなりたくないのか?」
本来なら1年もかかるんだ。それが1ヶ月で住むなら残りの5ヶ月間は鍛える事が出来る。なら、
「強くなりたい。俺を鍛えてださい」
俺は竜神に頭を下げた。
「我に任せておれ!」
竜神はそう言って俺の肩に手を置いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます