七、

 活動を続けて一年が経とうといった頃、私は酷く疲れが溜まっていた。夜の街を歩き回って、数人の命を救い、帰って来たら心の中で両親に一日の報告をしていたのに、私はそれをやめてしまった。帰って来たらベッドに倒れこみ、そのまま眠りにつくという日々が続いてしまい、私と両親の絆は薄れていってしまった。両親の写真を横目で見ながら、拝まないと。とベッドの上で思うのだが、そのまま意識が遠のいていってしまうのだ。両親に救われていた私は、どんどん疲れが蓄積されていった。

 理由ははっきりしていたのに、今考えるとどうして拝むのをやめてしまったのか分からない。いつまでも死んだ両親に頼っていてはいけないという考えでも働いていたのだろうか。


「誰か助けて」


私は無意識に毎晩眠りにつく前につぶやくようになった。人を救うという活動をしているくせに、私は自分自身を救えないでいる。なんて情けないのだろう。私には友人もいなかったし、頼れる人などいなかった。疲れ切ってしまった。もう、人助けはやめてしまおうか。

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