第3話 剣術大会
「剣術大会?」
ブラピは新入生歓迎、剣術大会が行われることを知る。
「ブラピ、あなたも出てみれば? ハリウッド1の剣士を目指してるんでしょ?」
クリスティーナはブラピに剣術大会に出るように勧める。
「いいのか? 俺が剣術大会に出場したら、優勝するのは間違いなしだ。クリス、俺との結婚をOKしたということだな。キャッハッハー!」
「なんで、そうなるのよ!?」
相変わらずブラピとクリスティーナは仲が良かった。
「さあ! ブラピ! 剣術大会で大観衆の前でボコボコのギタンギタンの目にあって恥をかくがいい! あなたなんかにハリウッド1の剣士になんかなれる訳がない!」
エリザベスは、忌々しいブラピの夢を奪い取るつもりである。
「エリザベスお嬢様、御言いつけ通り手配しておきました。」
「さすがセバスチャンね。剣術大会が楽しみだわ。オッホッホー!」
裏で暗躍するエリザベスの笑い声が木霊する。
「数々の剣術のジュニアコンクール大会で優勝してきた私が、エリザベスお嬢様を侮辱した小市民など、私が一刀両断してあげましょう。」
剣士トム。今回の剣術大会のために転校してきた名家の出身の剣士の生徒である。お嬢様の友達はお金持ちのお坊ちゃましかいないのだ。
「さあ! かかってこい! 小市民共! ワッハッハー!」
王族、貴族といったお金持ちの名誉階級は、貧しくて貧乏な庶民のことを忌み嫌い見下していたのだった。
「それでは剣術大会を始めます! 第1試合、名門貴族クルーズ家の剣士トムと、剣士見習いゴットン。」
出場選手は8人のトーナメント方式である。
「あれ? 同じ生徒なのに、トムは剣士で相手だけ剣士見習いなの?」
「知らないのか? 剣術大会で優勝したことがあるものは、剣士を名乗っていいんだぞ。」
「知らない。だって剣士に興味ないもの。」
クリスティーナは、剣術大会のルールを知らなかった。
「勝者! トム!」
「余裕だ。手応えが無さすぎる。」
第1回戦はトムが勝った。
(できる!? 良い腕をしている!? あいつが、この中では一番の剣の使い手だろう。剣術大会に貴族のコネで優勝者という訳ではないようだ。)
ブラピもトムの剣術を認めた。
(どこにいる? 姫様に泥を塗った小市民! この私の手で完膚なきまでに打ち砕いてやる! ハリウッド国1番の剣士になって、私は姫と結婚するのだ!)
トムは彼の立場で騎士道を重んじている。それは王国に対する忠誠心と、貴族のプライドだ。もちろん男としての野心もある。
つづく。
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