「WIN−WIN」だから誰も損しないとは限らない
今回この言葉を取り上げたのは、意識高い系の言葉が気に入らないからではありません。
「WIN−WIN」という言葉が、誰も損しない全面的に良い言葉だと誤解されがちなのが気に入らないからです。
全面的に良いか、そうでないかは状況によります。
個人間であれば、誰も損しない取引が実現することもあるでしょう。あるいは、家族間やボランティアグループなどの非営利団体であっても同様です。
しかしながら、企業などの営利団体ではそうもいきません。
例えば、A社とB社が提携して共に業績を伸ばしたとすれば、同じ業界の他社がその分シェアを奪われるわけです。
仮に業界そのものが発展したとしても、お金が有限である限り、他の業界にしわ寄せがいきます。
この世界が競争で成り立っている限り、すべての業界がまんべんなく発展するなどあり得ませんし、仮にそれを実現してしまったら今度は次世代にしわ寄せがいくことでしょう(資源の枯渇、環境汚染など)。
よって、お金などの利益が絡む限り「WIN−WIN」は必ずしも良い言葉ではありません。
「WIN−WIN」という言葉の枠外に、
第三者の「LOSE」が存在するのです。
それに「WIN−WIN」といっても互いが平等とは限りませんしね。
やっぱり、取引を持ちかけた方が若干得をすることが多いのではないでしょうか?
その場合、ちゃんと
「WIN10−WIN9」
といった表記してもらいたいものですね。
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