彼はそこにいる 3

ある日、彼に話しかける者がいた。およそ10歳なかばの少年だ。が、遠くからではあるが。

瘴気をまとっているためまず近づくことはできない。ならばと道具を使いはなしかけようとこころみる。メガホン、紙コップの糸電話、音叉、モールス信号などなど。


やがて少年はすぐそばにいた母親に連れていかれてしまった。やはりだめなのだろう。青年はまた静かに息をひそめるのであった......。

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