第827話 2022/1/18 日記

 本日も11時半起き。この辺に起床時間が固定されている。良い傾向ではないのだが、まあ仕方ない。もう毎晩脳みそがクソほど疲れているからな。回復に時間がかかるのだ。アイデアが潤沢にあるときはそんなに疲れない。しかしアイデアがないと絞り出さないといけないから脳みそがクッタクタのスッカスカになる。これを書いているいま時点でまだ頭がフワフワしている。夜までに回復できればいいが。


 こんな日記を書いているヤツが何を言ったところで説得力も何もないのだが、日記とは他人に見せるべきものや否や。明治大正あたりの有名作家の日記が見つかったりすると、それをメディアは嬉々として報じるが、これは死んだ人間には尊厳などないという姿勢の表れだろうか。

 文学研究者にとって有用な資料となることは理解できるが、それを研究者がのぞき見るだけでは飽き足らず、一般にまで公開してやろうというのは人間としていかがなものか。死者にだってプライバシーくらいあるだろう。見られたくないこと、知られたくないことを誰の目にもつかないところに書いているのに、それをほじくり出して白日の下にさらすというのは、極めてサディスティックな変態的思考であるように思える。悪意がないなら尚更だ。

 まあどうせ「遺族の許可は得ている」などと訳のわからん意味不明な言い訳をするのだろうが、他人の隠していた部分に土足で踏み入ることの非道さ浅ましさを理解しない人間が情報を発信することの怖さに背筋が凍る思いである。

 そもそも作家とは作品を売ってナンボの存在、八百屋が野菜を売り、魚屋が魚を売るのと基本的には同じだ。だが八百屋は死後その日記が発掘されることはない。魚屋も同じく。なのに何故作家は死後に日記をさらされなければならないのか。極めて差別的で非人道的であろう。

 更級日記や土佐日記なら他人の目に触れること前提で書かれているのだろうし、この日記と同じでどこに公表されても問題ないのだろうが、そうではない個人的な秘密を書いた日記は世に出すべきではない。何で赤の他人ののぞき見趣味を満足させるために日記を公開せねばならんのか。どうせクソのような建前しか並べられないのなら、最初から手を出すべきではないのだ。

 さて、そんなクソのような建前を並べ立てられて公開されているどころか、世界中で出版され、あまつさえ教科書にまで載せられている日記の代表が「アンネの日記」ではないか。確かにナチスドイツの非道を後世に知らしめる資料として重要なのだろうが、作家でも何でもない少女のただの日記が、見ず知らずの赤の他人に読まれる必要性が本当にあるのか疑問である。内容を簡略化するなり創作物に落とし込むなりするならわかるが、原文が公開されているのは理解に苦しむ。

 アンネ・フランクの一家は1944年8月に隠れ家をナチスに発見されるのだが、おそらくは誰かが密告したのであろうとこれまで言われて来たらしい。この密告者の正体を、アメリカ連邦捜査局(FBI)の元捜査官や歴史家ら約20人で構成するオランダの研究チームが特定したのだそうな。もっとも、特定と言っても状況証拠からの推察であり、明確な物証が存在している訳ではない。それなのに対象の個人名が報じられている。

 あまりにもやり過ぎではないか。その対象者にだって遺族はいるのだろうし、当然人生がある。何の権限があってそこまで踏み込もうというのか。100%絶対的な確証があるのならまだ話はわからんではないが、そうではないのだから。

 ネットの反応を見ていると「同じ悲劇を繰り返さないためにも、真相の解明は必要だ」などと書いているヤツもいたが、これこそクソのような建前の典型である。人間は真相がどうであろうと、真実が何であろうと、同じことを繰り返すものだ。それは大前提だろうに。同じことを繰り返すからこそ適切な対応方法を考える必要があるのであり、ホントのところがわかりさえすれば同じことを繰り返さないほど人間が優秀な生き物なら、誰も苦労しないし、戦争など起きるはずがない。

 真相の解明などという欺瞞だらけの屁理屈のために個人の人生を踏みにじるなど、偽善にも程がある。極めて腹立たしい話。


 少ないが、本日はこんなところで。ネタがない。大阪府は新型コロナの新規感染者が6000人程度になったらしいが、この辺で上げ止まるのだろうか。それとも1万人くらいまでは行くのか。何ともイヤな話。

 昨日は2500文字ほど書けた。おかげで何とか更新できたが、さて今日はどうだろう。こちらもネタ切れであるが、とにかく最後まで書き切りたいところ。

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