第643話 2021/7/18 本末転倒とか

 本日は1時起き。13時ではない。夜中の1時起きである。ああ、一日が長い。昨日言っていた買い物は、善は急げと思ったので昨日のうちに行っておいた。さあて今日から減量生活に入らねばならない。はあ、先が思いやられる。

 とりあえず今後は1日3食のうち1食ないし2食を鶏肉に変える。おかずを鶏肉にするという意味ではない。ご飯を食べずに鶏肉だけ食うのである。まあ味付けのレパートリーはそれなりに考え付くので、さほど飽きる事はないと思うのだが、炭水化物の誘惑は強烈だからな。何やかんやと理由をつけて米を食おうとしてしまうだろう。そこをどれだけ耐えられるか。毎日が勝負である。


「本末転倒」は中国辺りから渡ってきた言葉のように見えるのだが、実際は日本産の四字熟語らしい。一般に「本」とは根本、「末」とは末端と解釈され、「本当に大事な根本を忘れ、大事でもない末端に躍起になっている状態」などを本末転倒と言う。

 未曾有の大震災から復興した日本の強さをアピールするための、いわば記念イベントでしかなかったはずのオリンピックが、いつの間にやらオリンピックを開催する事それ自体が大前提の最重要事項となり、復興もへったくれもなくなってしまったのは典型的な本末転倒と言えるのではないか。

 しかしそんな本末転倒、実は日本仏教の歴史的経緯から生まれてきた言葉らしい。つまり「本」は物事の根本ではなく本山であり、「末」は末寺の事なのだ。鎌倉時代に、それまで貴族の物であった仏教が一般層に広まると、庶民に人気の坊さんが登場したり、御利益のある寺が評判になった。やがてその中には末寺でありながら本山よりも信仰を集め力を持つ寺が生まれてくる。これが本末転倒の由来であるのだそうな。

 だが冷静に考えると、末寺であろうと信仰を集め仏の教えが広まるのであれば、仏教という宗教にとっては喜ばしい事であるはずだ。それを「末寺が本山よりも繁栄するなどけしからん」的な、いかにも権威主義で、悪い意味で人間臭い考え方しかできないというのは、何とも修行が足りていない感がある。煩悩が出まくりではないか。これこそまさに本末転倒であろう。

 さて話は変わるが、ちょっと昔の日本では警察に捕まると留置場に入れられ、そこから拘置所に送られて、裁判の判決が出て有罪になると刑務所に送られていた。悪事を働いて一度捕まったら、もう刑期を終えるまでシャバには出られなかったのだ。ところが最近では「保釈」という言葉をよく聞く。罪を犯して逮捕されても、保釈金を払ったり、裁判所が留置しておく必要がないと判断した場合にはシャバに出られるようになったのだ。これは一見、人権が重視されているようにも見える。

 いや実際のところ、警察の取り調べの可視化は依然として進んでいないし、警察の中が世間から見てブラックボックス化している事を考慮すれば、いまだ犯人と決まった訳ではない容疑者の人権を最大限守るという方針は間違っていないだろう。理想論的には、という注釈がつくが。

 大阪府警は、捜査3課が平成28年1月~30年8月に検挙した容疑者の中で、保釈中に再犯をした者を担当した取調官計11人にアンケートを行い、20~50代の男11人からその動機について得た供述を公表した。以下に供述を並べる。

「どうせ刑務所に入るんやから、それまでに金を稼がなアカン」

「刑務所に入るまでの金稼ぎ。保釈中に何もせず、貧乏生活するよりマシ」

「刑務所では何かと金がいる。どうせ刑務所に行くんやから、行く前に稼いどけという考えだった」

「残していく嫁や子供にひもじい思いをさせたくないので、まとまった金を残したかった」

「房内では(雑誌や新聞などの定期購入といった)金払いの良さで人間の価値が上がる」

「保釈で飛ばした金は何件かの窃盗で稼ぐ」

「保釈金を人から借りており返済で金が必要だった」(以上産経新聞)

 保釈率は年々上昇傾向にあるそうで、令和元年は約32%、10年前と比べて2倍以上になっているらしい。また、この年は過去最多の285人の被告が、保釈中に別の事件で起訴されている。10年余りで3倍以上となっているそうだ。

 府警の捜査関係者によれば、

「被告が否認して勾留が長期化すれば『人質司法』と批判する意見があるが、裁判所は被告の『再犯の恐れ』をどこまで考慮して保釈を認めているのか」

「苦労して捕まえた被告が保釈され、新たな被害者が生まれているのも事実だ」(以上産経新聞)

 と、本末転倒な現状を憂えている。まあ被害者と捜査関係者はたまったものではないだろう。裁判所は口だけだから気楽なものなのかも知れない。ただ上にも書いているが、警察がブラックボックス化をやめ、すべてを可視化・透明化すれば長期留置にも道が開けるのではないか。長期留置が問題なのはそれが人権侵害と関わってくるからだ。人権を一切侵害していない状態を誰もが自由に確認できるような態勢作りができれば状況は変わりうる。

 もっとも裁判所の頭の硬い前例踏襲主義はなかなか変わらないかも知れないが。


 13日公表の読売新聞の世論調査では、内閣支持率は37%、ただし東京都に限って見れば28%だったという。16日公表の時事通信の世論調査では、内閣支持率は29.3%、管内閣発足後初めて3割を割り込んだ。17日公表の毎日新聞の世論調査では、内閣支持率は30%ちょうど。不支持率は62%となっている。

 こういう記事を読んで「まだ3割も支持者がいるのか」と思う人も多いかも知れないが、実際には3割も支持者はいないかも知れない。世の中、世論調査に真面目に答えている人間ばかりではないのだから。面白半分に回答している者もいれば、面倒臭いしがらみがある人もいる。そういった数字をすべて含めての支持率3割である。現実の支持率はもっと高い可能性もあるし、もっと低い可能性もあるのだ。だから3割の線を切ったとか切らないとかはまったくどうでもいい話である。

 とは言え、ある程度の傾向が見て取れる事は事実であろう。どこの世論調査も軒並み前回より内閣支持率が下がっている。つまりそういう傾向が実際にあると考えた方がいい。

 なお時事通信の調査によれば政党支持率は、自民党で21.4%しかない。後は公明党も野党も支持率10%に達している政党は1つも存在していない。さらに言うならば、支持政党なしという回答が63.9%もある。去年くらいまでは40%台だったように思うのだが。

 この数字は危険である。何が起こっても不思議はない。日本以外の国ならクーデターが起こってもさほど驚かないだろう。「与党も野党も全部一切どれもダメ」と考える有権者が6割も存在するなど国の恥としか言いようがない。

 有権者は別に国会議員や政党に対し、神様になれとか無茶な要求している訳ではない。国民のためになる事を最優先にして、国民が困っていたら国を挙げて手を差し伸べてくれる、そんな普通の政府を望んでいるだけだ。それは現実的には難しくとも、その方向に少しでも進んでくれる政府を望んでいる。どっか1つくらいそれができる政党があってもいいだろう。雁首揃えて何やってんだ、まったく。


 ドイツとベルギーで起こっている洪水の死者は160人を超えたらしい。安否不明者も一時1300人に上ったとも言われている。状況は変化しているのだろうが、良い方向への変化を期待するのはまだ難しいかも知れない。


 2030年代には月の軌道の影響で水害が多発するかも知れない、とNASAの研究チームが発表したらしい。ただしNASAなのでアメリカ国内の危険性についての話である。日本がどうなるかは不明だ。とは言え、こういうときに日本だけ無事で助かるなんて都合の良い展開は期待しない方がいい。一蓮托生というヤツだ。


 本日はこんなところで。うおー、眠い! 眠すぎて笑ってしまう。はあ、今日は用事がなくて良かった。

 昨日はミステリーとファンタジー、合わせて4000文字ほど書けている。かな。

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