第628話 2021/7/3 ニューヨークとか

 本日は8時起き。いま雨は降っていないが、いつ降ってもおかしくない空。湿度が高くて息苦しい。各地で記録的大雨が降り、災害の発生が危惧されている。虫けらの住んでいる地域は雨に関しては問題ない。大型台風級の大雨が降っても洪水も浸水もないのだが、日本全国そうではないからな。何事もなければいいと思うのだが、雨はどう考えても今日で終わりではない。しばらくは嫌な話題があちこちから聞こえるのかも知れない。


 その昔、まだ日本人が銭湯に通うのが当たり前だった時代、父親が「風呂に行ってくる」と言ったまま、いつまで経っても帰って来ない。いったいどこまで行ったのだろうと思ってたら、ニューヨークまで行ってた、てな冗談があった。言うまでもなく「入浴」と「ニューヨーク」をかけたダジャレなのだが、それがネタとして成立するくらいには、当時から老若男女を問わず大半の日本人がニューヨークという都市名を知っていた事になる。

 冷静に考えると凄い事である。同じ日本国内の市町村であっても、いまだかつて聞いた事がない名前にときどき出くわしたりするというのに、いかに大都市とは言え行った事もない海外の都市名を日本人が当たり前のように知っている。アメリカという国がどれほど世界に向けて情報を発信し続けて来たかという証明でもあるのだろう。

 映画で、演劇で、小説で、ニューヨークが出て来る作品の数など数える気にもならない。おそらくそんな資料はネットを漁っても出て来ないはずだ。ロサンゼルスやシカゴやワシントンDCも多いとは思うが、ニューヨークほどではないかも知れない。それくらいアメリカを代表する巨大都市である。

 ニューヨークというくらいだからオールドヨークもある。イギリス、イングランドのヨークシャー州にあるヨークという都市がそれである。と言ってもヨーク出身者が多く移住したからニューヨークだとかそういう話ではなく、後にイングランド王ジェームズ2世となる当時のヨーク公が、1664年にオランダ領だったこの地を支配した際、ニューヨークと名付けたのである。それまではニューアムステルダムだった。

 なお、ニューヨーク市はニューヨーク州にあるのだが、ニューヨーク州の州都ではない。州都はアルバニーなのだそうな。

 だがそんなニューヨークは、実はアメリカだけの地名ではなかった。女帝エカチェリーナ2世の時代のロシアの西、現在のウクライナ東部にニューヨークという名の町があったのだ。キリスト教プロテスタントのメノー派信者によって建設されたこの町に、当時メノー派移民が多く渡っていたアメリカの都市にちなんだ名前を付けたのはもちろん偶然ではない。

 ロシアはやがて革命によってソヴィエト連邦となり、アメリカと対立するようになる。そして1951年、町の名前はノブゴロドスケに変えられた。ノブゴロドスケの住民は長い間この町の名前をニューヨークに戻そうと尽力してきたのだが、様々な事情によって成功しなかったらしい。だが今月1日、ウクライナ議会で300人以上の支持を取り付け、とうとう町の名前をニューヨークに戻す事が認められた。

 ウクライナのニューヨークは観光地もない小さな寂れた町らしい。またニューヨークのあるウクライナ東部はいま、武装したロシア系住民とウクライナ軍が支配を巡って争う最前線でもある。町の名前が変わったくらいで浮かれている場合ではないのかも知れないが、人間は真面目くさった辛気臭い顔だけで生きて行けるものでもない。笑顔と希望はいつだって必要なのだ。


 アメリカ国務省は1日、世界各国の人身売買に関する2021年版の報告書を発表したのだが、その中で日本については外国人技能実習制度を問題視し、4段階評価で上から2番目のランクに据え置いた。まあな、そらな、という感じである。

 曲がりなりにも同盟国であるから、「現代の奴隷制度だ!」などと批判して中国と同レベルに扱う事はできないだろうし、十分に気を遣って配慮してこの結果である事を日本人は理解せねばならない。

 もちろんアメリカの言う事が何でもかんでも正しい訳ではないが、「アメリカだって余所の事は言えないだろう」などとグダグダ文句を言うのは間違っている。アメリカが余所に文句を言ってくれるからいまの日本があるのだ。アメリカが余所に何も言えなくなれば、日本はそれ以上に何一つ身動きが取れなくなる。アメリカのケツについて行くしか日本の生きる道はない。ならばアメリカの批判は真摯に受け止めるべきだろう。

 なお日本の上川法務大臣はこの報告書について「答える立場にない」らしい。自らお飾りを主張するのか。斬新だな。


 昨年の秋は中止となった岸和田のだんじり祭であるが、今年は開催する方向で話が進んでいるらしい。無観客の開催も検討しているそうだが、地元の人間は普通に見るだろうし、あんまり意味はない気がする。でもまあ仕方ないよな。オリンピックやれるんなら祭くらいやれるだろう。

 結局そういう話になるのだよなあ。オリンピックが開催される事で、あらゆるタガが外れる。実際岸和田の感染者数などたかが知れているから、ここに限定して考えればたいした問題にはならんのだろうが、こういう動きはドミノ倒しのように全国に波及する恐れがある。もはやオリンピック単体で開催の良し悪しを考える段階はとっくに過ぎているのだ。

 しかし好き好んで失政に突っ走るのもご愛敬だろう。次の総選挙で自民党は議席数を減らすだろうが、それで政権交代が起こるとも思えない。万が一政権交代が起こったところで、いまより良い社会になどなりっこないからな。何とも希望のない話。


 明日7月4日、といってもアメリカ時間だから日本時間なら5日になるのか。とにかく新しいソーシャルメディアがサービスを開始する。独立記念日に合わせて始まるこのSNSの名前は「Gettr」。ゲッターである。ロボではない。

 この中心で立ち上げに尽力したのがジェイソン・ミラー氏。先般の大統領選挙ではトランプ陣営のシニアアドバイザーを務め、大統領選挙後は「トランプ氏が新しいSNSを開始する」と事あるごとに発言していた人物である。ただし、いまの時点でこのゲッターにトランプ氏が参加するかどうかは未定だそうだ。

「キャンセルカルチャーと戦い、常識を促進し、言論の自由を守り、ソーシャルメディアの独占に挑戦し、真の市場アイデアを創造する」(Gigazine)

 がモットーらしい。英語だけでなくスペイン語、フランス語、日本語、韓国語、中国語にも対応しているとのこと。スマホアプリはすでにGoogle PlayとApp Storeに来ているようだ。PC用のサイトがあるのかどうかは不明である。これ以上SNSのアカウントを増やすのも大変なので虫けらは使わないだろうが、興味のある方は使ってみると面白いかも知れない。もちろん自己責任で。


 ゲッターついでに触れておくが、「ゲッターロボ アーク」が間もなく放送開始になる。オープニングが公開されたので見てみたが、まあ酷い。ゲッターでこのザマかと愕然とする。よくこれでOK出したヤツがいるな、と驚くしかない。いずれ世界的に低評価の嵐となるだろう。何ともかんとも。


 本日はこんなところで。何か外が明るいぞ。一日晴れてくれるのだろうか。洗濯物でも干すかな。

 昨日は1900文字ほど書けた。第3編完、といったところか。とにかく今夜更新しよう。

 さて、昼飯でも食うか。今日も一日頑張ろう。

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