第271話 2020/7/11 馬鹿とか

 本日は10時半起き。曇天。蒸し暑い。この1週間以上録画した番組を1つも見ていない。もうそろそろ平常運転に戻らないとな。いつまでもため息ばかりついていても仕方ない、とは考えるのだが、なかなか思うように行かないものだ。

 もしかしたら近々小鳥の宿に来客があるかも知れない。新型コロナで先は見通せないが、世の中は少しずつ動き出している。虫けらも動き出さないとな。


 「馬鹿」は意外に奥の深い言葉である。この言葉の由来として「昔、馬と鹿の区別がつかない人が居て~」みたいな話を聞いた人もあるかも知れないが、これは正しくないようだ。司馬遷の編纂した『史記』の中に「指鹿為馬しかをさしてうまとなす」という故事がある。

 秦の2代皇帝・胡亥の時代に、趙高という宦官が権力を握っていた。彼があるとき皇帝に「珍しい馬が手に入った」と鹿を献上した。皇帝は「鹿ではないのか」と言ったが、趙高は馬だと言う。そこで居並ぶ廷臣に趙高がたずねたところ、趙高を怖れる者は馬だと言い、皇帝に忠節を尽くす者は鹿だと答えた。趙高は後に鹿だと答えた者たちをすべて殺し、皇帝に謀反を起こしたという。

 おそらく文字面的な面での馬鹿の由来はこの故事であろう。しかし我々が知っている言葉としての「バカ」とは意味合いが違う。Wikipediaによれば、馬鹿という言葉の由来としてはサンスクリット語の漢訳である莫迦や摩訶羅、摩訶などを語源とする説、「若者」が「馬鹿者」に転じたという説、中国にいた「馬」という姓の家から「馬家」という言葉が生まれたという説など、イロイロあるようだ。

 まあ言葉は数式ではないので、複数の要因から1つの言葉が生まれる事もあれば、1つの要因から複数の言葉が生まれる事もある。正しい由来を確定するのは難しいのかも知れない。

 さて早稲田大学といえば日本を代表する名門私立大学であり、いかに少子化の影響があるとはいえ、普通に考えれば馬鹿の入れる学校ではない。その教育・総合科学学術院の60代の男性教授が、停職6カ月の懲戒処分を受けたと10日大学が発表した。

 大学の広報課によれば、この教授は2019年の4月から8月にかけて、自分の担当する授業を履修している複数の学部生に対し、「バカ」と呼ぶなど人格を否定するようなパワーハラスメント的発言をしたという。また、学内の会議では自らのキャリアの長さを強調し、他の複数の教員の提案を一方的に否定して怒鳴り散らすなどのアカデミックハラスメントをしたそうだ。ハラスメント大好き人間なのだな。

 まあいわゆる典型的な老害であったのだろう。教授は謝罪の弁を述べているそうだが、一度体に染みついたものはそうそう変わらない。また同じ事を繰り返すのではないか。馬鹿という言葉は奥深いが、それを安易に使う人間には薄っぺらさを感じるところ。


 昨年4月に火災で屋根の尖塔が焼け落ちたパリのノートルダム大聖堂であるが、マクロン大統領は9日、尖塔を19世紀のデザインのまま、元の姿に忠実に復元する案を承認した。まあ当たり前であろう。

 ノートルダム大聖堂については火災後、現代的なデザインを取り入れて再建するという主張が声高に強調され、マクロン大統領も一時それに乗り気であったのだが、結局落ち着くべきところに落ち着いたようだ。

 新しい現代的な大聖堂が欲しいのなら、別のところに建てれば良い。せっかく19世紀から残っている建物なのだ。その「残っている」という部分に価値を見出さずに何とするのか。技術を継承するという意味でも忠実な形での再建は値打ちを持つだろう。フランスの、あるいはヨーロッパの、もしくはキリスト教文化圏の持つ底力を見せて頂きたいと思う。


 新型コロナの影響で国際的なスポーツ大会が軒並み中止に追い込まれている昨今であるが、スイスのチューリッヒでは陸上競技の国際大会「インスピレーション・ゲームス2020」が開催されている。しかしこの状況下、選手が一同に会して競技を行うわけにはいかない。そこで選手たちは世界各地の競技場からバラバラに参加し、それをテレビ画面上で並べてレースを視聴者に見せるという方法を採っている。まあ要するに陸上のテレワークである。

 9日、男子200メートル走では2019年世界陸上で金メダルを獲得したノア・ライルズ選手が出場、18秒90の世界新記録を叩き出した。しかしレース直後からこの記録に疑問の声が上がる。他ならぬライルズ選手の関係者ですら首をかしげたのだ。そもそも彼の自己記録は19秒50、しかも当日は向かい風が吹いていた。

 そこで調査をしたところ、競技場のスターティングブロックが間違ったコースに置かれ、ゴールまでの距離が185メートルしかなかった事が判明した。結局ライルズ選手の記録は取り消しとなり、優勝賞金は獲得できなかったそうだ。これは何とも可哀想。大会の運営は何らかの形でライルズ選手に謝罪するべきだろう。口頭だけではなく。


 東京が連日の200人超えで話題を独占している新型コロナだが、大阪も徐々に増えつつある。そう簡単に消えてなくなってはくれないと思ってはいたが、さすがにもう疲れてきたな。豪雨災害もあるし、新型コロナだけで騒いではいられなくなっている。まあこういう時にこそ感染症は拡大するのだろうが。気をつけたいとは思うものの、どうしても油断してしまう。ついついマスクをはずして外出してしまう人の気持ちも理解できる。これといった解決策が思い浮かばない。危険に対して感覚が麻痺している。このまま冬が到来すれば、大惨事になるかも知れない。やはり最大限、家から出ないようにするしかないのか。


 本日はこんなところで。今日はグッタリしている。今日も、か。いい加減梅雨も明けてくれないものだろうか。もう十分である。

 昨日も1500文字ほど書けている。何とか順調。今日も頑張りたい。

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