第153話 2020/3/15 瓢箪から駒とか

 本日は7時半起き。うおお朝だ! 昼前じゃない! ……などと叫びはしなかったが、まあ久しぶりなのでちょっと当惑した。明日もこんな感じで起きられれば良いのだが、たぶん無理だろう。そういう身体である。何とも面倒臭い。


 昔の中国には仙人の伝説が多々あった。その中の1人に張果老が居る。張果老は中国各地を白いこま(要するに馬だ)に乗って移動していたのだが、休むときにはその駒を瓢箪ひょうたんの中に入れ、移動するときにはまた瓢箪からその駒を出していたという。

「思いもかけない事態、展開となる事」を意味することわざとして知られる「瓢箪から駒」とはこの事、より正確にはこの事を描いた絵から生まれたものである。おそらく室町時代頃の成り立ちだろうと思われる。かつて瓢箪から駒が出て来る絵は縁起物だったのだ。

 この小さな瓢箪から大きな駒が出て来る類いの発想は他にも中国の創作や、その影響を受けた日本でも見られるものだ。たとえば西遊記では金角銀角が名前を呼んで返事をしたら吸い込まれてしまう瓢箪『紫金紅葫蘆こうころ』を持っていたし、俵藤太(藤原秀郷)の伝説では俵の中から延々と無限に米が取り出せた。そしてこの類いの発想の極めつけ、我々現代日本人にもっとも馴染みが深いのが、ドラえもんの四次元ポケットであろう。

 事ほど左様に、我々は気軽に「オリジナリティ」などと口にするが、どんな独創的な表現に見えても、人類の歴史を何百年か何千年か遡れば、たいていどこかの誰かが思いついていたものであったりする。創作とは模倣と発展の繰り返しと積み重ねなのだ。

 さて、まったく話は変わってアメリカのノースカロライナ州キティホークにある古物店で、ボランティアとして働いている女性が一枚の絵に目を留めた。その絵はどこかからこの古物店に持ち込まれた絵の一枚で、仕分け室に保管されていたものだった。しかし女性の目には、どうもこの絵だけが古く、特別な物のように見えたという。そこで店の了解を得てこの絵を専門家に鑑定してもらったところ、サルバドール・ダリの作品集『新曲』の一部を構成する版画作品である事が判明したそうだ。

 これぞまさに瓢箪から駒の事態と言える。この古物店で普通に売られている絵は10ドルから50ドル程度らしいが、この絵は何と、1200ドル(約12万5000円)で売却されたという。……言うほどでもないな。オークションにでもかけたらもっと高額で売れたのではないか。売上金は家庭内暴力や虐待の被害に遭った人たちの避難施設の運営に役立てる予定、とCNNは報じているが、それならやはりもっと高額で売るべきではなかったか。

 とはいえ、あまり金に執着しない人も世の中には居るからな。まあその辺は仕方ないのかも知れない。何にせよ、ちょっと面白い話題であった。

 

 ちょっと面白い、と言って良いのかどうか微妙なところだが、いわゆる「大人のオモチャ」を販売しているドイツの企業、ウーナマイザー社が明らかにしたところによると、イタリア、香港、アメリカ、カナダ、そして日本などで販売が急増しているらしい。国際市場における今年の最初の2カ月間の販売は、従来の予想を50%上回る水準に到達したそうだ。

 昔から大きな台風が来ると翌年には沢山子供が産まれるとか、停電が続くと以下同文などなど、イロイロ言われて来たものだが、疫病が蔓延しても翌年の出生率は上がるのかも知れない。


 N国党こと『NHKから国民を守る党』の関係先が警視庁に家宅捜索され、党首の立花氏が任意聴取を受けたらしい。威力業務妨害などの容疑らしいが、さて、こういうのも国策捜査だったりするのだろうか。まあ、報道を見る限りでは容疑自体はほぼ確定のようだし、現在立花氏は議員でもないしな。普通に逮捕されるかも知れない。これでN国党は勢いを削がれるだろう。策士策に溺れたか。


 ネーミングライツという言葉を聞くようになって久しいが、いまキリンの名前が売られているらしい。栃木県の宇都宮市にある宇都宮動物園で、1月17日に生まれたばかりのメスのアミメキリンの命名権が、22日まで販売されている。販売と言っても要は入札で、最高額を提示した者が命名権を得られるシステムだ。

 このキリンの父親がいま26歳、人間に例えるなら80歳以上の高齢で、身体のケアに金がかかるのだが、新型コロナ騒ぎで入園者も減ったいま、予算を絞り出すのが難しい。そこで苦肉の策として、娘の名前を販売する事になったという。

 ただネーミングライツとはいえ、商品名や企業名はつけられないとの事。これはちょっと厳しいな。それもあってか、まだ応募は2件しかないようだ。企業名でも名前として不自然じゃなければOKにすればよいのに。「さくら」とか「みずほ」とか「ふじ」とかなら無理がないし、金額も上がりそうに思うのだがなあ。


 先般アメリカを訪れたブラジルのボルソナロ大統領は新型コロナウイルスの検査で陰性だったようだが、同行した代表団に陽性の者が居た。という訳で、ようやくトランプ大統領も検査を受けたらしい。結果としては陰性だったそうだ。だがしばらくは様子を見た方が良いのではないか。

 アメリカは、EU圏、正確にはシェンゲン協定を結んだ各国からのアメリカ入国を禁じていたのだが、16日からはイギリスとアイルランドからの入国も禁じられる事になった。アメリカ側からすれば当然なのだろうけれど、イギリスとアイルランドは不満に思うだろう。しばらくは国際ニュースが賑わうかもしれない。


 今日15日からマスクの転売は原則禁止となった。マスクに限定する必要はあったのかとも思うが、まあ何でもかんでも禁止する政府とは思われたくなかったのかも知れない。

 虫けらの行動範囲内ではマスクはまだどこにも売っていない感じである。トイレットペーパーは売っているので心配はしていない。しかしAmazonでは相変わらずトイレットペーパーがアホみたいな値段で売られている。どうも安い価格というか、定価あたりで販売しても、誰かが買い占めている模様。暇なヤツがいるものだ。

 はやく普通の生活を送れるようにならんものかと思うのだが、不安を煽り立てる連中は減らないし、まだまだ難しいのだろうな。やれやれ。


 本日はこんなところで。昨日はあまり書けなかったが、まあ更新できたので良しとする。ミステリーはまだ手探りで、とりあえず文字数を増やしている。書くだけ書いてからザックリ削って行くとしよう。さあ今日も頑張るか。

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