第131話 2020/2/22 限度とか
大雨の朝。11時起床。昨夜は睡眠導入剤を飲んでもまるで眠くならず、午前3時過ぎまで起きていた。まあ、仕方ない。体は重いが、特段体調が悪いという事もない。咳も悪寒もないし、風邪やインフルエンザのような症状も一切見られない。昨日の発熱は何だったのだろうな。知恵熱か。
あ、今日は2/22(にゃんにゃんにゃん)で猫の日か。しかも2020年だから超猫の日だな。個人的にはアヒルの日でも構わないような気もするのだが。
物事には限度がある。例えそれがどれだけ「良い事」であろうと、いかに「正しい事」であろうと、必ず限度という物があり、それを飛び越えれば「悪い事」「間違った事」へと変化してしまう。ことに一部の人間を攻撃するような行為は、なるべく慎むべきである。「窮鼠猫を噛む」と言う。追い詰めすぎて良い結果は得られない。
実例として挙げられるのは、1920年から1933年まで続いたアメリカの禁酒法であろう。これは元々草の根的な運動であった。酒を飲んで酔っ払うことを悪徳とする一部の人々が、徐々にその行動を拡大させ過激化させ、やがて連邦法を制定するに至った。「飲酒は諸悪の根源である。これがなくなればどれだけ住みよい社会になるか」と考えたのだろう。
だが国家ぐるみで酒を禁じた結果はどうなったか。酒を飲む人々は追い詰められて地下に潜り、違法な酒を飲むようになった。アメリカの酒造産業は壊滅し、酒の密造・密輸入をするマフィアだけが大金を儲ける事になったのだ。どれだけ清らかで美しい考えに見えたところで、限度を超えればそれは人々を苦しめるだけである。「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」は時代も洋の東西も問わない真実であろう。
とは言え歴史は繰り返すものなのか、また同じような事が起きつつある。タバコを巡る動きだ。もちろんタバコは酒と違い、「副流煙」「受動喫煙」という他人に被害を与える側面がある。よって喫煙者以外を守る措置は必要であろう。実際のところ虫けらもタバコは嫌いであるから、この世界から消え去ってくれても構わない。なくなっても個人的には何も困らないのだ。
だが、実際にタバコの販売を禁止している国はない。これだけ場所的な意味でも値段的な意味でもタバコが吸いにくくなっているというのに、タバコの販売自体を禁止しないのは、どこの国もアメリカの禁酒法と同じ轍を踏みたくはないのだろう。しかし、すでに禁酒法同様の事態は起きている。安価な偽造タバコが出回り、闇社会の資金源となっている。また日本近辺で言えば、北朝鮮の外貨獲得手段としても使われているのだ。
21日にスペインの警察当局と欧州警察機構(ユーロポール)が発表したところによると、アンダルシア自治州マラガ県の家畜小屋の地下から偽造タバコの工場が発見され、ウクライナ人労働者6人が警察に救助された。1時間に3500本以上の製造が可能だったという。
EU圏内で偽造タバコの工場が見つかったのは初めてだそうだ。だがこの先、増えるのではないか。スペインにせよポルトガルにせよギリシャにせよイタリアにせよ、あるいはアイルランドにせよ、経済的に上手く行っていない国がEUには多い。にもかかわらず、喫煙者を巡る状況は年々厳しくなって行く。マフィアが金儲けのために偽造タバコに手を出す環境は整っていると言って良い。
北朝鮮や中国から輸入した方が安いのであれば別だが、いまはEUにも低賃金労働者は大量に居るからな。偽造タバコは作った方が安くつくだろう。人々の健康が大事なのは理解できるが、あまり喫煙者を追い詰めすぎない方が良いのではないかと思わなくもないところ。
ウクライナ人絡みでもう一つ。20日、新型コロナウイルスの蔓延する中国の湖北省武漢から、ウクライナ人45人と外国籍の27人がチャーター機で退避し、ウクライナの首都キエフに到着した。そして14日間の隔離措置を受けるために、ポルタヴァ州中部にあるノヴィ・サンザリー村の病院にバスで向かった。しかしこのバスに対し、村人はデモを起こして石を投げつけたのだそうだ。バスが通るには警官隊がデモを排除しなければならなかったという。
今回の新型コロナウイルスへの対処について、よく日本政府は甘いとかヌルいとか遅いとか言われる。まあ実際その通りだとは思うが、ただこれもまた限度がある話で、この村の住民のように過敏に反応しすぎても問題が大きくなるだけだ。
ウクライナの保健相は、今回の退避者の中に感染者は一人もいないとしている。現地には保健相の他、首相や内相も入って住民たちと話したそうなのだが、「我々は感染者の話をしているのではない。健康な人たちの話をしているんだ」(BBC)と述べた内相に対し、住民の一人が「いまのところはね」(BBC)と言葉を投げつけたらしい。
何か漫画『デビルマン』の世界みたいだな。いずれ感染者は殺されて首を斬られるのではないか。もしそんな事になれば、その責任は不安を煽り立てたメディアにあると言えよう。冷静で適切な報道というのは、それほどに難しい物なのだろうか。
最近、シリアのクルド人勢力についての報道が少ない。ほとんどないと言って良い。いまどうなっているのだろうか。シリアについては、北部の国境付近にトルコが進軍し、反政府武装勢力を支援しているのだが、そこにロシア軍が支援するシリア国軍が空爆を加えている事が報じられている。
20日にはトルコの国防省が、空爆によってトルコ兵2人が死亡したとしてシリア軍を非難したそうだ。しかし勝手に軍事侵攻したトルコにそれを言う資格があるのかどうかは微妙であろう。
トルコとしては、ロシアとの間で非武装地帯について話がついているはずだという理屈によってシリアを非難しているのだが、ロシア側は空爆の対象としているのはあくまでもテロリストであってトルコ軍ではないというのが建前である。話がかみ合っていない。
それでもトルコの国防相は「ロシアと対決したいとは思っていない」と取材に対して述べており、交渉で何とかしたいところのようだ。まあ、いくら何でもロシアと全面戦争はできないだろう。とは言えシリアから軍を引けば、エルドアン大統領がトルコ国内から突き上げを喰らうからな。いまさらそれもできないのではないか。シリアへの軍事侵攻などやらなければ良かったのに。判断を誤ったとしか思えない。
本日はこんなところで。雨は止んだだろうか。
昨日は1500文字ほど書けたか。ミステリーの方にも結構手が入った。後はこれをちゃんとまとめないと。頭をひねらないとなあ。
あ、確定申告もしなければ。とりあえず光熱費の計算だけやっておくか。はあ、面倒臭い。
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