第5話「ドッグフード」

「ジョンこっちおいで!ふむふむ、なるほど、この説明書によると、この装置をジョンの頭に取り付けると、この別モニターにジョンの考えてることが言葉で表示されるのか」



これはまずい。


あの機械が本物だとすると、このままではたかし君に俺の知能の高さがバレてしまう。


どうしたものか?


とりあえず頭の中で「ドッグフード」のことだけを考えてみよう。上手くやり過ごせるだろうか?






「さて、装着完了っと。どれどれ?モニターには何が書かれるのかなぁ」



『ドッグフード』



「あれ?ドッグフードとしか書かれてない?」



『ドッグフード』



「他には何か出てこないのかなぁ?」



『ドッグフード食べたい』



「ぷぷっ!ジョンのやつ食べ物のことしか考えてないや」



『ドッグフードまだかな』



「ぷぷぷ。なーんだ、つまんないなぁ。もっとジョンのこと知りたかったのになぁ。ジョンはドッグフードのことしか考えていないや。それともこの機械がやっぱり嘘っぱちだったのかなぁ」










【ピンポーン!】


ワンワン!





『誰だ!?岡本家を守らなければ!いやしかし、今は色々とまずい!!』



【こんにちはー、宅配便でーす】


ワンワン!


『30代男性の声、声質から身長180センチ、体重70キロ』



「あれ!?あれれ!?ジョン!?」



『たかし君とお母さんを守る!』



「ジョン!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る