よもやま話(11)熟語の利点と弊害

 小説を書いているとき、ついつい多用してしまいがちな熟語について思っていることを、メモ代わりに残しておこうと思います。


 熟語って便利ですよね。執筆しているときにも、つい無意識に使ってしまいます。でも考えてみてください。熟語って二つ以上の言葉が合わさった略語みたいなものです。


 熟語はもともとは二つ以上の言葉でした。たとえば、


・清水→清らかな水

・閃光→ひらめく光

・勇猛→勇ましく猛々しい


 みたいな感じになります。


 この熟語という便利な言葉は、文章を簡潔にする効果はありますが、多用すると文章を硬くしてしまう恐れがあると私は思っています。


 理由は漢字の割合が多くなること、イメージが固定されやすいこと、などなど。


 私の場合、小説を書くときは場面場面によって使い分けるようにしていますが、それでも気がつけば多用してしまっていることがあります。そんなときは、いくつかの熟語を分解して硬さをコントロールしたり、雰囲気を出すようにしています。


 ただし、型にはまった考え方は要注意で、連続して熟語を使ったほうが雰囲気をだせるときもありますし、すべての熟語を分解したほうが雰囲気を出せる場合もあります。


 たとえば、


『湧きあがる清水しみずが白い砂粒を舞い踊らせ』

『清らかな水の流れが陽光で煌めき』


 みたいな感じで、情景によって熟語を使ったり分解してみたりしています。


 また、歴史ものなんかを読むときに、よく違和感を覚えます。熟語って比較的新しい言葉ですから、たとえば戦国時代の武将がとか、とか、とか、みたいな熟語をセリフの中で使っている場面に出くわすと、その時代にそんな熟語あるのか? と、疑問がわいて萎えてしまいます。


 気にしなきゃいいんでしょうけど、小説って分かりやすさだけじゃダメで、雰囲気を大事にしないと行けないと思うんですよね。


 ということで、今回はココまでです。

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