第12話:序盤の面白さを考える

 まずは応募作の進捗報告ですが、今日現在十五話目のセリフを考え中で、おおよそ順調に推移しています。


 ということで、今回は物語の序盤についてのお話です。とはいっても考え方が纏まっているわけではありません。考えていることをメモとして残すというのが趣旨になりますので、完成した方法論を期待しないでくださいね。


 さて、序盤の面白さとは何か?


 という問いに対して考えていくうえで、既存の人気作を参考にするより、なろうの異世界ものの人気作を参考にしたほうが、Web小説では有利なような気がします。


 というのが私が今現在思っている結論らしきものです。理由は至極簡単。なろうが今のWeb小説界をけん引しているからに他なりません。


 では、なろうで強いなろうテンプレの序盤はどうなっているのでしょうか?


 いつものように、代表的なものを列挙してパターン分けしていきましょう。


・神様チート:転生転移時に神様からチート能力をもらう。

→強力なチートをもらって、最初から強烈な期待感と特別感を持たせるパターン。


・最強知識転生転移:幼児期に転生に気付き、生前の記憶が戻る。

→周囲下げになるパターンが多い。現代日本が異世界より遥に進んでいる。あるいは異世界の過去の時代より現代異世界がはるかに衰退している。という設定を開示して期待感を煽るパターン。悪役転生も、このパターンに含まれることが多い。


・いきなり過酷な環境:なにがしかの理由で過酷な環境に飛ばされて適応し、最強になる。無自覚の場合が多い。

→地道な努力を数行~数十行で描写し、読者に苦痛を与えない。そのうえで、最強を匂わせて期待感を持たせる。


・修業期間を超短縮:僻地で一心不乱に修行して、あり得ないほどの成長を遂げる。無自覚の場合が多い。

→最強に近い師匠がいる場合といない場合があるが、僻地での修行描写を極力短くして読者に苦痛を与えない。そのうえで、最強を匂わせて期待感を持たせる。まれに、あり得ないほどに強くなっていく過程を詳細に描写して期待感を増幅していく場合もある。


・強烈な逆境:過酷なイジメにあったり、不遇な環境で育ったりするが、その描写は少なく、すぐに強力な力を得る。

→タイトルで復讐ものであることを匂わせる場合が多い。不遇時代の描写を少なくして読者に苦痛を与えない。そのうえで、最強になることを匂わせて期待感を持たせたり、復讐でのカタルシスを期待させる。悪役転生でこのパターンになる場合もある。


・追放劇:稀有な能力を持っているにもかかわらず、世間では認められていない。仲間からも役立たず認定されて追放される。

→周囲下げになる場合と、最強に近い理解者に救われる場合が多い。または、能力が生かせる環境に移動してちやほやされ、復讐したり成功したりすることを強く匂わせる。


 みたいな感じになりました。


 これらのパターンで多くの異世界ものに当てはまると思われます。なろうで活躍する多くの人気異世界ファンタジー作家は、これらのパターンの中でいかに独自性を出すかに、腐心しているのではないでしょうか。


 もちろんこれらのパターンに当てはまらない人気作も数多くあります。そんな作品を書くことができた作家は、凄いと賞賛したくなります。


 ここまで考えて、私は何を書きたいのか分からなくなりました。異世界ファンタジーで書籍化を目指すの? と聞かれて、素直にハイといえません。


 わざわざカクヨムで心機一転する意味も目減りしてしまいます。だから今考えています。今期のカクヨムコンは別として、来期になにを目指すのかを。


 今の心境は、せっかくカクヨムに来たのだから異世界ファンタジー以外で書籍化を目指したいです。なろうではハードル高すぎますからね。


 上で挙げた物語序盤のパターンも、異世界ファンタジー限定のテクニックではないと思うんです。ですからそれの研究を進め、序盤から引き込まれる作品作りの基盤を作り上げていけたらな、と、考えるようになりました。


 今回はココまでです。

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