JKの嗜み VS 魔法

許さない!!

この俺の事をいきなり蹴り飛ばしやがって!

飼い犬が主人に楯突く?許さない!

俺が負ける?許さない!

俺がしくじる?許さない!

異世界人風情の横暴?許さない!

ヤツの存在?許さない!


ならば俺がやることはただ一つ。

あのガキを灰にしてやることだけだ!

這いつくばりながら懐を探り、小さな杖を構えて詠唱を始める。



『許されざる者を焼け

不浄の者を焼け

穢らわしきを焼け

罪有る者を焼け

罰有るべき者を焼け


冥府を逃れた咎人に獄炎の裁きあれ!

冥府神の咎焼きの火を刹那現世うつしよに現したまえ!』


目の前に高密度の熱塊が現れた。


『我が敵を焼け!『獄炎ヘルフレイム』』

熱塊がアイツに迫る。

しかし、辛うじて避けた。

上空3~4m。

人間1人を抱えて飛びやがった!

クソッ!!


『雷神来たれ!

地表の不届き者に浄化の光と雷撃を!!『電撃ライトニング』』

間髪入れずに今度は杖から稲妻が伸び、ガキに向かう。

幾ら素早く動けても、空中では動けない!

更に、これは電撃。

どんな腕力を持とうと、どんな強靭な肉体を持とうと、生き物である以上、ダメージが起きる!!

電撃の火力は獄炎に比べて格段に低い。しかし、炎と違って掻き消せず、触れたら最後、電撃が確実に肉体を駆け巡る!

そうして痺れたところを火炙りにしてやる!!

稲妻がガキに迫る。

貰った!


ガキは懐から何かを取り出すと………


「粉!!」


稲妻を握り潰した?




JKのたしなみ。

稀に、インフルとかノロに罹かって倒れる同級生が居るでしょ? そんな時にさ、後始末する時にダイレクトタッチと感染を防ぐためにはアレが必要じゃない?


そう、ゴム手袋。


家に何か妙に厚手のゴム手袋が有ったから、持ってるの。

ずっと落とし物有ると吐いた奴がヤでしょ?しかも伝染うつったらお互いヤでしょ?

だから持ってたの。

流石に電気対策に成るとは思わなかったけど。


スタッ


綺麗に着地10点を決め、踊り子を降ろす。

「ァリガト、庇ッテクレテ…」

少し痛みが無くなってきたのか、御礼を言われた。

「どいたしまして。」

さぁ、気分切り替えて目の前の相手をレッツサーチ&デストロイ!!

ボキャバキャミキャ…

腕が鳴る。

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