第一
「一体……………何?」
光が収まり、視界を取り戻した私の目の前には目をパチクリさせて辺りを見るセーラー服姿の少女が居た。
雪の様な肌に墨の様な黒髪、大きな目は透き通っていて、それでいて輝いていた。
(学生だ。)
何故異世界の人間の服がセーラー服だと知っているか?何故学生だと知っているか?
応えは簡単だ。過去に来た異世界勇者から異世界の情報を得ているからだ。
王国上層部の人間なら『車』『壁ドン』『異世界チート』『ニート』と言った言葉の意は解っている。
そして、異世界勇者の大半が力こそ強いが
異世界勇者を召喚する理由が何か知っているか?兵器だよ。『兵器』。
アホみたいに強い癖に頭はスッカラカン。中身の無い正義感だけは人一倍あり、そこらの村娘から持ち上げられれば鼻を伸ばして馬以上に働く。
しかし、その対価はそこらで捕まえた小娘と錆びた剣と奪った盃と石と血。
大量破壊兵器の代金としては安い。
「おぉ、勇者様。
貴女は選ばれたお人だ。
我ら人類を救う為に神が遣わした救世主だ。
あぁ、勇者様。どうか、如何か我らに力を、貸してくださいませ。」
わざとらしく、大袈裟に頭を下げる。
所詮はガキ。大袈裟な言葉で
「へぇ…………」
JKはおもむろに私の元へ歩いて来た。
私に一目惚れでもしたか?丁度良い。その方が操りやすいというものだ。
ガッ
頭を両手で掴まれた。
唇を奪うか?良いだろう。その程度で
頭の両側からミシミシと音がして次の瞬間目の前に膝が迫って来た ゴキッ 顔の骨が変な音を立てて後頭部に強い衝撃が走った。
「誘拐犯。死すべし。」
JKの足元に第一の犠牲者が転がった。
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