第01話 告白されたけど断ろうと思います。
◇が場面転換で
◇◇◇◇で視点が変わります。
文章力が心配なのでなので一応心に留めて置いて頂けると安心です。
───────────────────
桜舞い散る四月。
高校二年の始業式の日。
────「付き合ってくれ」
私、
「えっと、その──────」
突然の出来事に、私が戸惑っていると…
「何してんだてめぇは!」
「いたっ」
そしてその男子は、慌てたように駆けつけてきた少し高い声が特徴的なお友達に、拳骨を喰らって連れ去られてしまいました。
◇◇◇◇
「それで、返事はしたの?」
昼休み、私の友達の
「ううん。」私は小さく首を振る。
「告白されてどれくらいだっけ?」
「二週間くらい。」
未晴は大きなため息を吐く。
「もう好きならちゃっちゃと返事しちゃいなさいよ。」
「は!?私が、明石くんを?
別に好きじゃないよ~。私が好きなのは”仮面”のギタリストだし。
申し訳ないけど明石くんに対する興味なんて一ミリもないし。」
私がありえないよ、と笑うと未晴は困ったものでも見るような目を私に向ける。
ちなみに
「じゃあちょっとあんた。ポケットに入っている物を出してみなさいよ。」
「もう、何も入ってないってば。」
疑い深い未晴のために、私は快くポケットを探り、一つずつ机に並べていく。
シャーペンと消しゴムと紺のハンカチの三つが机に並ぶ。
「これは?」
「えーと。これが、明石くんが物理実験室で忘れて行ったシャーペンでしょ。それでこっちは、明石くんが小さくなって捨てた消しゴム。それと明石くんが落としたハンカチ。…………はっ!!これじゃ、まるで私がストーカーみたいじゃない!」
「今更すぎるわ!!!!」
◇
「よくそれで自分の事ストーカーだと思わずにいられたわね。
そもそもこの二週間、毎日私にストーキング結果を報告してたじゃない。」
心底呆れた表情で大きく肩を竦める宮坂の言葉を私は泣きつくように否定する。
「ストーキングって言わないで!
ち、違うのよ…誰に聞いても明石くんの事『よく分からない』って言うから。自分で調べるしかなかったの!」
「あーはいはい。」
私の必死の訴えを宮坂は犬をあしらうように聞き流す。
「それで、返事はどうするのよ。」
「もちろんNOだよ。」
だって私には好きな人がいるんだから。
「そ、じゃあこれはもう要らないわね。」
宮坂は机の上の明石くんの消しゴムを手に取る。
「ちょっ、それとこれとは話が別。私物は手に入れるの苦労したの、だからその消しゴムを握った手をおおきく振りかぶるのはやめてえぇぇぇ!」
「問答無用」
空中に投げ出された消しゴムは綺麗な放物線を描いて、在るべき場所に還っていった。
友人を変態にしたくは無いから、そのシャーペンとハンカチもちゃんと明石くんに返しといてね。」
急いでゴミ箱に駆け寄ろうとした私の制服の裾を、未晴はにっこりと微笑みながら、しかし、がっちりと掴んだ。
◇◇◇◇
───放課後。
「じゃあ行ってきます!」
「ちょっと!明石くんがどこにいるか分かってるの?」
今にも飛び出しそうな志摩に宮坂は慌てて声をかける。
「もちろん!今日は自由部の日だから、校内をぶらぶらしてたら会えるはずだよ!」
志摩は扉の所で一度足を止め、見送りをしてくれたクラスメイト達に手を振って、意気揚々と教室を出ていった。
「「(自由部って何!!??)」」
◇◇◇◇
明石くん発見!
私は校舎内をぐるっと二周した所で、廊下をぶらついている明石くんを発見した。
案の定一人で、どうやらさっきまで将棋部に顔を出していたらしく手には詰将棋の本が握られている。
「明石くん!」
明石くんは私に気づいて、足を止めた。
「ごめんなさい。」
私は付き合えない旨を端的に伝える。
やっぱりショックだったのか、明石くんはぽかんとした表情を浮かべていた。数瞬の後、ようやく彼の口から言葉を紡がれた。
「あの、どなたですか?」
今度は私がぽかんと口を開ける番だった。
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