第2話 眠り姫は豚の夢をみるか?

ある晴れた昼下がり


森の奥深く断崖絶壁に聳え立つ砦の中


四方を塔で覆われそれをつなぐ様に聳え立つ回廊と城壁


門は跳ね上げられそれ以外は絶壁


まるで何かを閉じ込めるかのような


まさに牢獄のような建物のその中央


古びた土色の壁の中に時が止まったように


鮮やかな緑の庭園


石棺のようなものがぽつんと佇んでいた・・・








えぇとここどこ・・だろ・・」





あ・・うん


たぶん・・近所の丘ね


見渡す限りの花畑に少女は浮かれていた


迷路のような生垣の奥に小さな小屋があるようで


真っ赤な屋根だけが見えていた





『これは行ってみるしか無いわね!』





何度も行き止まりに迷い込み


ようやく小屋にたどり着いたころには


日が傾き始めていた





心細くなった少女はふと後ろを振り返った


夕日に照らされて真っ赤に見える引き締まった体つきの大男が立っていた


手には斧のような物を持っていた





「ひっ 始めまして、こんばんわワタシハゴルゴダデス・・・」





男は無言で一歩二歩近づいてくる


距離にして2メートル





どうしよう怖すぎる


よく見えないけど上半身裸だし。。。


伏し目がちに顔を見ようと顎を上げると





「○!※□◇#△!◎△●&%#?!」





お顔が豚!?ですの?





必死に逃げようとしてよろめいて


生垣にもたれ掛かり手にチクっと痛みが走り


力なく崩れ落ち痛みが走った手を見ると





「血・・・・・・」








そこで意識が無くなった。。。





『これ夢ね、きっとそうだわ・・・・』





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





300年ループして見続けている夢

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る